加糖飲料によるうつ病リスク、そのメカニズムは?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/28

 

 うつ病は、世界的な精神的・身体的障害の主要な原因となっており、その発症や進行は、食事、心理、生物学的要因の複雑な相互作用により影響を受けることが報告されている。近年の研究により、加糖飲料(SSB)の摂取とうつ病リスクとの関連が示唆されているものの、この関連の根底にある生物学的メカニズムについては、依然として十分に解明されていない。中国・吉林大学のZhirong Li氏らは、SSBの摂取とうつ病発症との関連を評価するため、UKバイオバンクのデータを用いた検討を行った。Nutrition Journal誌オンライン版2026年6月20日号の報告。

 UKバイオバンクの参加者19万2,045例のデータより、Cox比例ハザードモデルを用いて、SSB摂取とうつ病発症とのプロスペクティブな関連を検討した。SSBの摂取は、24時間食事回想法(Oxford WebQ)で評価された5つの飲料カテゴリーの合計とした。さらに、多様な集団を対象とした3つの外部データセット(NHANES、YRBSS、江蘇省データベース)を用いて、この関連の一貫性を検証した。加えて、タンパク質、代謝産物、炎症マーカー、脳画像表現型が、SSBの摂取とうつ病との関連を媒介する統計的に整合性のある候補因子となる可能性があるかを調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・SSBの摂取量が多い群では、非摂取群と比較し、うつ病発症リスクが18%高いことが示された(ハザード比:1.18、95%信頼区間:1.11~1.25)。
・この関連の方向性は、外部データセットにおいても一貫して認められた。
・エラスティックネット正則化を用いて229種類のタンパク質からなる血漿プロテオミクスシグネチャーを構築したところ、これはうつ病発症リスクの増大との関連が認められた。
・探索的な媒介分析では、72種類のタンパク質、36種類の代謝産物、5種類の炎症マーカーが候補媒介因子として特定された。
・タンパク質レベルでは、IL1RNが最も強い媒介効果(9.6%)を示し、代謝産物および炎症マーカーのレベルは、それぞれ不飽和度と好中球数が最も強い効果を示した。

 著者らは「本研究では、タンパク質、代謝産物、炎症マーカーが、SSBの摂取とうつ病発症との関連を媒介する統計的に整合性のある候補因子である可能性が示唆された。これらの知見は、探索的かつ仮説生成的なものであり、今後は、これらの経路を検証し、うつ病予防のための食事介入のターゲットとしての可能性を評価するための実験的研究が求められる」としている。

(鷹野 敦夫)