糖尿病、非肥満者は発症前に体重減少の傾向

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/27

 

 東アジア人は白人よりも低い体重で糖尿病を発症することが知られており、その背景には異なる発症メカニズムが存在する可能性がある。日本人の健康診断データを用いた後ろ向き観察縦断コホート研究により、非肥満者では糖尿病発症前に体重減少が先行する一方、肥満者では糖尿病発症前に体重増加がみられることが明らかになった。富山大学・四方 雅隆氏らによるこの研究成果は、Endocrine Journal誌オンライン版2025年9月25日号に発表された。

 この研究は、日本人9,260例の健康診断データを用いた後ろ向き観察縦断コホート研究として実施された。対象者の61.4%が男性で、観察期間中に259例が糖尿病を発症した。観察期間開始から3年以内に糖尿病を発症した者は除外した。参加者を肥満群(BMI 25 kg/m2以上)と非肥満群(BMI 25kg/m2未満)の2つのサブタイプに分類し、糖尿病発症に至るまでの体重変化のパターンを評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・肥満群では糖尿病発症前にBMIが増加し、その後減少するパターンが観察された。一方、非肥満群では糖尿病発症前にBMIが減少し、その後安定するという対照的なパターンが示された。
・非肥満群では糖尿病発症前に年間BMI変化が-0.15kg/m2以下(体重減少)を示す参加者が、+0.15kg/m2以上(体重増加)を示す参加者よりも有意に多かった(p=0.003)。これらの結果は、非肥満群では体重減少が糖尿病発症に先行することを示している。

 研究者らは、「非肥満でありながら血糖値が上昇している人(ただし、糖尿病の診断基準は満たさない)は、糖尿病発症の高リスク群として考慮すべきだ。従来、体重増加が糖尿病リスクとして注目されてきたが、この研究結果は、非肥満者においては体重減少が糖尿病発症の前兆となる可能性を示唆している。これらのハイリスク層を早期に特定し、体重減少に焦点を当てない生活指導を提供することが糖尿病発症予防において重要だ。この知見は、とくに東アジア人における糖尿病の予防戦略に新たな視点をもたらすものである」としている。

(ケアネット 杉崎 真名)