ゴルフ場の近くに住む人はパーキンソン病リスクが高い?

提供元:ケアネット

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公開日:2025/08/01

 

 パーキンソン病(PD)は、環境要因と遺伝的要因の複雑な相互作用によって引き起こされる神経変性疾患である。環境要因の中でも、農薬への曝露はPDのリスク増加に関連するとされる。米国・Barrow Neurological InstituteのBrittany Krzyzanowski氏らの研究によると、ゴルフ場の近くに住むことがPD発症リスクの2倍以上の増加と関連している可能性が示された。JAMA Network Open誌2025年5月8日号に掲載。

 本研究では、1991~2015年のロチェスター疫学プロジェクト(REP)のデータを用いて、ミネソタ州南部とウィスコンシン州西部にまたがる1万6,119平方マイルの地域内における139のゴルフ場への距離とPD発症との関連性を症例対象研究で評価した。さらに、水道環境として、水道サービス区域内のゴルフ場の有無、地下水域の脆弱性(荒い土壌、浅い岩盤、カルスト地形)、市営井戸の深さでなどの条件でリスクを比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・本解析には、PD症例群419例(診断時の年齢中央値73歳[IQR:65~80]、男性257例[61.3%])、対照群5,113例(インデックス時の年齢中央値72歳[IQR:65~79]、男性3,043例[59.5%])が含まれた。
・ゴルフ場から1マイル以内の居住者は、ゴルフ場から6マイル以上離れている居住者に比べてPD発症オッズが2倍以上であった(調整オッズ比[aOR]:2.26、95%信頼区間[CI]:1.09~4.70)。
・ゴルフ場から3マイル以内の居住者では、PD発症オッズが比較的一定で(1マイル増加当たりのaOR:0.98、95%CI:0.84~1.11)、ゴルフ場から3マイル以上離れた居住者では、ゴルフ場から1マイル離れるごとにPD発症オッズは13%ずつ減少した(1マイル増加当たりのaOR:0.87、95%CI:0.77~0.98)。
・ゴルフ場のある水道サービス区域の居住者は、ゴルフ場のない水道サービス区域の居住者に比べてPD発症オッズが約2倍(aOR:1.96、95%CI:1.20~3.23)であり、個人の井戸を持つ人に比べて1.5倍高かった(aOR:1.49、95%CI:1.05~2.13)。
・脆弱な地下水域にあるゴルフ場のある水道サービス区域の居住者は、脆弱でない地下水域でゴルフ場のある水道サービス区域の居住者に比べてPD発症オッズが82%高かった(aOR:1.82、95%CI:1.09~3.03)。

 本研究により、ゴルフ場の近隣住民は、距離が離れている居住者に比べてPD発症リスクが上昇することが示された。著者らは、ゴルフ場で使用されている有機リン系農薬、クロルピリホス、MCPP、2,4-D、マンネブ、有機塩素系農薬など、PD発症との関連が知られている農薬が、地下水に浸出したり、空中を漂ったりすることで、曝露経路となっている可能性を指摘している。

(ケアネット 古賀 公子)