肥満体型の若い女性の健康状態は良好か

提供元:ケアネット

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公開日:2025/05/29

 

 体型と健康状態に相関はあるのだろうか。このテーマについて、オーストラリア・クイーンズランド大学公衆衛生学部オーストラリア女性少女健康研究センターのAnnette J. Dobson氏らの研究グループは、若年女性に多くみられる健康状態の年齢別有病率とBMIカテゴリーとの関連性が世代間で異なるかどうかを検討するため、18~30歳の女性の体重と身長を解析した。その結果、低体重・過体重の女性では、健康状態が良好ではないことが判明した。この結果は、Obesity誌オンライン版2025年5月13日号に掲載された。

低体重でも過体重でも健康状態に影響

 研究グループは、1973~78年と1989~95年生まれの参加者で、それぞれ1996年と2013年に募集された“Australian Longitudinal Study on Women's Health”からのデータを基に、18~23、22~27、25~30歳の各年齢で体重と身長を報告した女性を対象とした。評価項目は、自己評価による健康状態、一般的な疾患の有病率、月経症状、妊娠合併症。オッズ比(OR)は、反復測定を考慮した一般化推定方程式を用いたロジスティック回帰モデルを用いて推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・自己評価による健康状態が「普通」または「不良」の場合、低体重域の女性(OR:1.51、95%信頼区間[CI]:1.30~1.74)または過体重域の女性(OR:1.47、95%CI:1.34~1.60)でORが高かった。
・標準体重の女性と比較して、肥満の女性(OR:3.04、95%CI:2.76~3.35)で最もORが高く、より最近のコホートでもORが高かった(OR:1.50、95%CI:1.38~1.63)。
・上記と同じパターンがすべての評価項目でみられた。

 以上の結果から研究グループは、「BMIの増加による健康への影響は、近年においても軽減されていない。この結果は、若い女性に正常なBMIの利点を広めるために利用できる」と結論付けている。

(ケアネット 稲川 進)