統合失調症の認知機能に対する抗うつ薬、ベンゾジアゼピン、抗コリン作用負荷の影響

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2024/03/21

 

 統合失調症は、日常生活に影響を及ぼす認知機能障害を特徴とする疾患である。これまでの研究では、抗うつ薬が認知機能改善と関連している可能性があるとの仮説が立てられていたが、その結果に一貫性は見られていない。フィンランド・ヘルシンキ大学のVille Makipelto氏らは、臨床サンプルにおける反応時間と視覚学習の観点から、抗うつ薬の使用と認知機能との関連を調査した。また、ベンゾジアゼピン使用と抗コリン薬負荷との関連も調査した。Schizophrenia Research誌2024年4月号の報告。

 参加者は、2016~18年にフィンランドの精神疾患患者を対象に実施されたSUPER-Finlandコホートより抽出された1万410例。分析には、統合失調症と診断された成人患者のうち認知機能評価結果が含まれていた3,365例を含めた。薬物治療および心理社会的要因に関する情報は、アンケートとインタビューを通じて収集した。認知機能は、返納時間と視覚学習を測定する2つのサブテストを備えたCambridge Neuropsychological Test Automated Battery(CANTAB)を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・1種類以上の抗うつ薬を使用していた参加者は、36%であった。
・全体として、抗うつ薬の使用と反応時間や視覚学習課題のパフォーマンスとの関連は認められなかった。
・SNRI使用と反応時間短縮との関連が認められた。
・ベンゾジアゼピン使用と高い抗コリン薬負荷は、反応時間と視覚学習のパフォーマンス低下と関連が認められた。

 結果を踏まえ、著者らは「これまでの知見と同様に、統合失調症患者に対する抗うつ薬使用と認知機能との関連が認められないことが示唆された。ただし、SNRIと反応時間の改善との関連については、さらなる研究が必要である。さらに、統合失調症患者は、ベンゾジアゼピンの継続使用を避けるだけでなく、抗コリン作用負荷を軽減することにも注意を払うべきであることが明らかとなった」としている。

(鷹野 敦夫)