モデルナのインフル・コロナ混合ワクチン、第I/II相で良好な結果

提供元:ケアネット

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公開日:2023/10/09

 

 米国・Moderna社は10月4日付のプレスリリースにて、同社で開発中のインフルエンザと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する混合ワクチン「mRNA-1083」が、第I/II相臨床試験において良好な中間結果が得られたことを発表した。同ワクチンは、インフルエンザおよびCOVID-19に対して強い免疫原性を示し、反応原性および安全性プロファイルは、すでに認可されている単独ワクチンと比較して許容範囲内であった。本結果を受けて、mRNA-1083は第III相試験に進むことを決定した。

 第I/II相臨床試験「NCT05827926試験」は観察者盲検無作為化試験で、混合ワクチンmRNA-1083と、50~64歳への標準用量のインフルエンザワクチン(Fluarix)、および65~79歳への強化インフルエンザワクチン(Fluzone HD)とを比較し、安全性と免疫原性を評価した。また両年齢層において、mRNA-1083と、2価の追加接種用COVID-19ワクチン(Spikevax)とも比較して評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・mRNA-1083は、4価インフルエンザワクチンと同等以上の赤血球凝集抑制抗体価が認められた。50~64歳へのmRNA-1083はFluarixと比較して、インフルエンザウイルスA型およびB型の全4株について、幾何平均力価(GMT)比が1.0以上だった。65~79歳へのmRNA-1083もFluzone HDと比較して、GMT比が1.0以上だった。
・mRNA-1083は、Spikevax 2価ワクチンと同等のSARS-CoV-2中和抗体価が認められた。Spikevaxに対するmRNA-1083のGMT比は、50~64歳で0.9以上、65~79歳で1.0以上だった。
・mRNA-1083投与後に報告された局所および全身性の副反応は、COVID-19単独ワクチン投与群と同程度だった。副反応の大部分は重症度がGrade1/2であった。
・Grade3の局所/全身反応は、50歳以上の参加者の4%未満で報告された。
・mRNA-1083については、単独ワクチンと比較して安全性に関する新たな懸念は確認されなかった。

 同社は、2023年にmRNA-1083の第III相試験を開始する予定であり、2025年に本混合ワクチンの承認を目標としている。

(ケアネット 古賀 公子)

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