コロナ医療費、公費支援を10月から縮小/厚労省

提供元:ケアネット

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公開日:2023/09/22

 

 厚生労働省は9月15日付の事務連絡にて、新型コロナウイルス感染症の10月以降の医療提供体制の移行および公費支援の具体的内容を公表した。2023年5月8日に新型コロナは5類感染症に変更となり、9月末までを目途として特例措置の見直しが行われてきた。これまでの見直しを踏まえ、冬の感染拡大に対応しつつ、通常の医療提供体制への段階的な移行を進めるため、2023年10月~2024年3月を引き続き移行期間として定め、10月以降の取り扱いがまとめられた。

 病床確保料や診療報酬上の特例が見直され、10月以降は補助単価の上限や特例加算を引き下げて継続となる。具体的な額面・点数の詳細は「新型コロナウイルス感染症に関する10月以降の見直し等について」の資料を参照されたい。

 新型コロナ患者への治療薬や入院医療費など対する公費支援なども見直され、全額公費負担だったコロナ治療薬は、一部自己負担を求めつつ公費支援が継続されることなどが示された。2024年4月の完全移行後は、通常の自己負担となる予定。

 患者等に対する公費支援の詳細は以下のとおり。

【治療薬】
・9月までは、コロナ治療薬の費用は全額公費支援(外来・入院)であった。
・10月以降は、他の疾病との公平性の観点も踏まえ、自己負担なしの扱いから、一定の自己負担を求めつつ公費支援を継続。
・自己負担の上限額は、医療費の自己負担割合に応じて段階的に、1割の人:3,000円、2割の人:6,000円、3割の人:9,000円とする。3割の人でも、重症化予防効果のあるラゲブリオ等の薬価(約90,000円)の1割程度(9,000円)にとどまるように見直す。
【入院医療費】
・9月までは、高額療養費制度の自己負担限度額から2万円を減額であった。
・10月以降は、他の疾病との公平性の観点も踏まえ、入院医療費については、高額療養費制度の自己負担限度額から1万円の減額に見直して公費支援を継続。

新型コロナ医療費の自己負担イメージ
【外来医療費】
2023年5月8日~9月末→10月1日~2024年3月末→完全移行後
・1割負担の人:1,390円(うち薬剤費0円)→4,090円(同3,000円)→8,000~10,520円(同9,430円)
・2割負担の人:2,780円(うち薬剤費0円)→8,180円(同6,000円)→18,000円(同18,860円)
・3割負担の人:4,170円(うち薬剤費0円)→12,270円(同9,000円)→31,570円(同28,290円)
【入院医療費】
・75歳以上(1割負担)で年収約370万円以下の人が7日間入院した場合、治療薬を除く自己負担額は39,800~47,600円。※完全移行後は高額療養費を適用し、39,800~57,600円。

(ケアネット 古賀 公子)