自閉スペクトラム症と統合失調症の精神症状の比較

提供元:ケアネット

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公開日:2023/09/15

 

 自閉スペクトラム症(ASD)患者は、明らかな精神症状を発現する傾向があり、これらの症状は、統合失調症患者でみられる症状と類似している。獨協医科大学のMomoka Yamada氏らは、ASD、統合失調症、非精神疾患の初診患者における精神症状の違いについて、調査を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2023年8月21日号の報告。

 初診患者のデータは、2019年6月~2021年5月の獨協医科大学病院精神科の診療記録よりレトロスペクティブに収集した。分析には、精神症状の簡易評価ツールであるPRIME Screen-Revised(PS-R)の評価データを有する254例を含めた。すべての精神科診断には、DSM-V診断基準が用いられていた。

 主な結果は以下のとおり。

・混乱や妄想的気分は、ASDで15.6%(7/45例)、統合失調症で41.5%(44/106例)、非精神疾患で1.1%(1/88例)に認められ、知覚異常は、ASDで11.1%(5/45例)、統合失調症で40.6%(43/106例)、非精神疾患で2.3%(2/88例)に認められた。
・傾向分析では、これらの精神症状は、非精神疾患<ASD<統合失調症と増加していた。
・多変量調整多項ロジスティック回帰分析では、ASDおよび非精神疾患と統合失調症との比較を行った。
・より高い年齢、知覚異常の発現は、ASD診断を受けていないことと関連し、男性、混乱や妄想的気分がないこと、知覚症状がないことは、非精神疾患と関連していた。

 著者らは、本結果は暫定的なものであるとしながらも、陽性症状を詳細に評価することで、ASDと統合失調症の鑑別が容易になる可能性があるとまとめている。

(鷹野 敦夫)