摂食障害に対する精神薬理学的介入~メタ解析

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2023/09/08

 

 神経性やせ症(AN)、神経性過食症(BN)、過食性障害(BED)といった、主な摂食障害の精神薬理学に関連する体重変化および感情の精神病理学的アウトカムを評価するため、イタリア・University of Naples Federico IIのMichele Fornaro氏らは、ランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、摂食障害ごとに薬剤の有効性が異なることが確認された。著者は、今後、体重以外のさまざまな精神病理学的および心臓代謝系のアウトカムを記録する研究、とくに確立された心理療法の介入を検証する研究が求められる、としている。Journal of Affective Disorders誌2023年10月1日号の報告。

 対象は、検証済みの基準で診断された摂食障害に対するあらゆる精神薬理学的介入を文書化し、体重および精神病理学的変化を報告したRCT。キーワードを「神経性やせ症」「神経性過食症」「過食性障害」「抗うつ薬」「抗精神病薬」「気分安定薬」とし、2022年8月31日までに公表された研究をPubMed、Scopus、ClinicalTrials.govより検索した。言語制限は設けなかった。

 主な結果は以下のとおり。

・特定された5,122件のうち、203件の全文レビューを行った。
・質的統合を行った62件(AN:22件、BN:23件、BED:17件)のうち、22件(AN:9件、BN:10件、BED:3件)をメタ解析に含めた。
・ANにおけるBMIの増加について、オランザピンはプラセボよりも良好であったが(Hedges'g=0.283、95%CI=0.051~0.515、I2=0%、p=0.017)、fluoxetineでは効果が確認されなかった(Hedges'g=0.351、95%CI=-0.248~0.95、I2=63.37%、p=0.251)。
・BNに対するfluoxetineの使用では、体重の有意な変化は認められず(Hedges'g=0.147、95%CI=-0.157~0.451、I2=0%、p=0.343)、過食(Hedges'g=0.203、95%CI=0.007~0.399、I2=0%、p=0.042)やパージングエピソード(Hedges'g=0.328、95%CI=-0.061~0.717、I2=58.97%、p=0.099)の減少が認められた。
・BEDに対するリスデキサンフェタミンの使用では、体重(Hedges'g=0.259、95%CI=0.071~0.449、I2=0%、p=0.007)および過食(Hedges'g=0.571、95%CI=0.282~0.860、I2=53.84%、p<0.001)の減少が認められた。

 著者は本研究の限界について、サンプル数の少なさ、短期間であること、信頼できる操作的定義の欠如が、本解析に含まれたスポンサードRCTへ影響を及ぼした可能性があると述べている。

(鷹野 敦夫)