レンバチニブ+ペムブロリズマブの腎がん1次治療、4年超でも生存改善を維持(CLEAR)/ASCO2023

提供元:ケアネット

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公開日:2023/07/10

 

 進行期腎細胞がんの1次治療における、レンバチニブ・ペムブロリズマブ併用療法の生存期間延長効果は、長期追跡期間を経ても維持されていたというデータが、米国臨床腫瘍学会年次総会(2023 ASCO Annual Meeting)において、米国・Texas OncologyのThomas E. Hutson氏より発表された。

 国際共同非盲検第III相CLEAR試験(KEYNOTE-581)試験の追跡期間中央値4年超の最終結果報告である。

・対象:全身薬物治療未実施の進行期淡明細胞型腎細胞がん
・試験群:レンバチニブ+ペムブロリズマブ(LenPem群:355例)、レンバチニブ+エベロリムス(357例)
・対照群:スニチニブ4週投与2週休薬(Suni群:357例)
・評価項目:
[主要評価項目]独立画像判定(IIR)による無増悪生存期間(PFS)
[副次評価項目]全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)、安全性など

 2021年、LenPem群の良好なPFS、OSの結果が論文発表されている。今回はLenPem群とSuni群のOS最終解析結果の報告である(追跡期間中央値:LenPem群49.8ヵ月、Suni群49.4ヵ月)。

 主な結果は以下のとおり。

・OS中央値はLenPem群53.7ヵ月、Suni群が54.3ヵ月、ハザード比(HR)は0.79(95%信頼区間[CI]:0.63~0.99、p=0.0424)と両群間の有意な差を保っていた。24ヵ月OS率はLenPem群が80.4%、Suni群が69.6%、36ヵ月OS率はLenPem群66.4%、Suni群60.2%であった。
・試験後の治療として、抗VEGF抗体がLenPem群の45.9%に、Suni群の45.4%に投与されていた。また抗PD-1/PD-L1抗体が使用されていたのはLenPem群15.8%、Suni群54.6%であった。
・この後治療の影響を調整したOS中央値は、LenPem群は未到達、Suni群が32.0ヵ月で、HRは0.55(95%CI:0.44~0.69)であった。
・IMDCリスク分類別にみたOSのHRは、Favorable risk群で0.94(95%CI:0.58~1.52)、Intermediate+Poor risk群で0.74(95%CI:0.57~0.96)であった。
・PFS中央値はLenPem群が23.9ヵ月でSuni群9.2ヵ月、HRは0.47(95%CI:0.38~0.57、p<0.0001)であった。24ヵ月PFS率は、それぞれ49.0%と23.4%、36ヵ月PFS率は37.3%と17.6%であった。
・IMDCリスク分類別にみたPFSのHRは、Favorable risk群で0.50(95%CI:0.35~0.71)、Intermediate+Poor risk群で0.43(95%CI:0.34~0.55)であった。
・奏効期間(DOR)中央値は、LenPem群が26.7ヵ月、Suni群が14.7ヵ月、HRは0.57であった。
・LenPem群において完全奏効(CR)を達成した症例のDOR中央値は43.7ヵ月であった。
・LenPem群における新たな安全性シグナルは報告されなかった。

(ケアネット)

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