直腸がんへのネオアジュバント強化、長期フォローアップでも有用性示す(PRODIGE 23)/ASCO2023

提供元:ケアネット

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公開日:2023/06/21

 

 局所進行直腸がん患者において、標準治療である術前化学放射線療法よりも前にmFOLFIRINOXによる化学療法を強化することで無病生存期間(DFS)が有意に改善されることを報告した第III相PRODIGE 23試験。米国臨床腫瘍学会年次総会(2023 ASCO Annual Meeting)では本試験の7年の長期フォローアップの結果を、フランス・ロレーヌがん研究センターのThierry Conroy氏が報告した。

・対象:T3またはT4の直腸腺がん患者、18~75歳、PS1以上
・試験群(術前化学療法群):mFOLFIRINOXによる6サイクル・3ヵ月の化学療法→化学放射線療法→直腸間膜全切除(TME)→mFOLFOXによる4サイクル・3ヵ月の補助化学療法
・対照群(標準治療群):化学放射線療法→TME→mFOLFOXによる8サイクル・6ヵ月の補助化学療法
・評価項目:
[主要評価項目]DFS
[副次評価項目]全生存期間(OS)、無転移生存期間(MFS)、安全性、QOLなど

 主な結果は以下のとおり。

・2012年6月~2017年6月に35の参加施設から461例が登録され、標準治療群230例と術前化学療法群231例に割り付けられた。年齢中央値61.5歳、66.3%が男性だった。
・今回の解析における追跡期間中央値は82.2ヵ月で、標準治療群56例、術前化学療法群42例の死亡が報告された。
・7年時点における局所再発の累積発生率は標準治療群8.1% vs.術前化学療法5.3%、転移率は標準治療群27.7% vs.術前化学療法群18.4%と、術前化学療法群が良好だった。
・2次がんの発生率は標準治療群4.8%に対し、術前化学療法群は19.4%と高かった。すべてが固形がんで血液腫瘍は含まれなかった。
・7年時点におけるDFSは標準治療群62.5%(95%信頼区間[CI]:55.6~68.6)vs.術前化学療法群67.6%(95%CI:60.7~73.6)、MFSは同65.4%(95%CI:58.7~71.3)vs.73.6%(95%CI:67.0~79.2)、OSは同76.1%(95%CI:69.8~81.3)vs.81.9%(95%CI:75.8~86.7)と、いずれも術前化学療法群が優れていた。

 Conroy氏は「mFOLFIRINOXの術前化学療法の強化によって、7年の長期フォローアップにおいてもDFS、OSを含むすべてのアウトカムが有意に改善していた。この治療戦略は局所進行直腸がんにおける最良の治療の1つと考えるべきだ」とした。

(ケアネット 杉崎 真名)

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