子育て世代の日本人女性のうつ症状スクリーニング尺度MDPS-M

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2023/02/17

 

 産後うつ病は、出産後の女性にとって重要な問題の1つである。産後うつ病の早期発見と適切な治療には、うつ病リスクの高い女性を迅速かつ簡便に特定することが必要である。大阪大学の竹内 麻里子氏らは、子育て世代の女性の身体症状からうつ症状をスクリーニングする尺度を開発し、検証の結果を報告した。今回、著者らが開発した子育て世代の女性のうつ症状スクリーニング尺度「MDPS-M」は、プライマリケアにおいてうつ病リスクが高い母親の早期の特定に有用かつ簡便な臨床尺度である可能性が示唆されたという。Frontiers in Psychiatry誌2022年12月1日号の報告。

 漢方医学の概念に基づいた身体症状に関する17項目の質問(0、1、2点の3段階スコア)からなる、軽症以上のうつ症状をスクリーニングする簡便な自己記入式の尺度Multidimensional Physical Scale(MDPS)を開発した。子育て世代(産後0~6年)の女性1,135人のうち、学習用データとして偏りなくランダムに抽出した785人、検証用データとして350人を対象に解析を行った。うつ病の判定には、ベック抑うつ質問票(BDI-II)を用いた。学習用データの多変量ロジスティック回帰分析を行い、最終モデルを作成した。

 主な結果は以下のとおり。

・MDPS合計スコア(0~34点)に月経再開の有無(-3、0点)を加えたMDPS for mothers(MDPS-M)を作成した。
・うつ病リスク特定のためのROC分析では、MDPS-M(-3~34点)の良好な鑑別が示唆された(AUC:0.74、95%信頼区間[CI]:0.70~0.78)。
・MDPS-Mのカットオフ値(9/10)における軽症以上のうつ病検出精度は、感度84.9%、特異度45.7%、陽性的中率36.7%、陰性的中率89.2%であった。
・MDPS-Mの外部検証では、開発コホートと同様の分析において良好な鑑別が確認された(AUC:0.74、95%CI:0.68~0.79)。

(鷹野 敦夫)