交代勤務や夜勤と将来の認知症リスク~メタ解析

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2023/01/12

 

 交代勤務や夜勤が認知症リスクと関連しているかについては、相反するエビデンスが報告されている。中国・First Clinical Medical College of Shaanxi University of Traditional Chinese MedicineのZhen-Zhi Wang氏らは、交代勤務や夜勤と認知症との潜在的な関連性を明らかにするため、関連文献をシステマティックに検索し、メタ解析を実施した。その結果、夜勤は認知症のリスク因子である可能性が示唆された。Frontiers in Neurology誌2022年11月7日号の報告。

 交代勤務や夜勤と認知症との関連を調査するため、2022年1月1日までに公表された文献をPubMed、Embase、Web of Scienceよりシステマティックに検索した。独立した2人の研究者により、検索した文献、抽出データの適格性がレビューされた。PRISMAガイドラインに従ってシステマティック評価およびメタ解析を実施した。メタ解析には、Stata 16.0を用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・メタ解析には、4つの研究(10万3,104例)を含めた。
・プールされた結果では、夜勤者は夜勤がない者と比較し、認知症リスクが12%高かった(ハザード比[HR]:1.12、95%信頼区間[CI]:1.03~1.23、p=0.094)。
・一方、交代勤務は認知症リスクとの有意な関連は認められなかった(HR:1.09、95%CI:0.83~1.43、p=0.546)。しかし、交代勤務と認知症リスクの関連は加齢とともに増加する可能性があり、50歳以上の交代勤務者では認知症リスクとの相関が認められた(HR:1.31、95%CI:1.03~1.68、p=0.030)。
・これらの結果をさらに確認するためには、客観的な指標を用いたプロスペクティブ研究が必要とされる。

(鷹野 敦夫)