毎日の抗原検査vs.自主隔離、感染を広げないのは?

提供元:ケアネット

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公開日:2022/10/26

 

 迅速抗原検査キットを使用した毎日の陰性確認は、新型コロナウイルス感染症拡大を最小限に抑えるため、自主隔離の代替手段となりうるのか? 英国・健康安全保障局のNicola K. Love氏らは、COVID-19接触者追跡システムで特定された成人接触者を対象とした無作為化非劣性比較試験を実施。Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2022年10月10日号に結果を報告した。

 英国では本試験期間中(2021年4~7月)、COVID-19感染者と接触した人には10日間の自主隔離が求められていた。接触者追跡システムで特定された成人接触者のうち同意が得られた参加者は、自主隔離群(1日目のPCR検査、10日間の隔離)または毎日の抗原検査(DCT)群(1日目および最終日のPCR検査、7日間連続のラテラルフローデバイス[LFD]による抗原検査、LFDで陰性の場合は24時間隔離免除)に無作為に割り付けられた。

 参加者は前向きに追跡調査され、試験期間中にPCR検査で陽性となった参加者と、彼らとの接触から生じた3次感染者(つまり2次接触者の中の感染者)について、定期的に収集したNHS Test and Traceの接触追跡データから各介入による効果を検証した。

 主要評価項目は、各グループにおいて2次接触者が3次感染者となる割合である発病率とされた。発病率はHuber-White標準誤差を使用し、ベルヌーイ回帰モデルにより算出され、家庭での曝露、ワクチン接種、および在宅勤務の状況によって調整された。

 主な結果は以下のとおり。

・2021年4月29日~7月28日に、5万4,923人の適格者が登録され、最終的な解析には自主隔離群2万3,500人(47.4%)、DCT群2万6,123人(52.6%)が含まれた。
・全体で4,694人の参加者がPCR検査でSARS-CoV-2陽性であり(2次感染者)、自主隔離群で2,364人(10.1%)、DCT群で2,330人(8.9%)だった。
・2次接触者における調整後発病率(3次感染者)は、自主隔離群7.5%、DCT群6.3%(差は-1.2%[95%信頼区間:-2.3~-0.2])で、あらかじめ設定された非劣性マージンの1.9%より有意に低かった。

 著者らは、抗原検査を7日間毎日実施し陰性の場合は24時間隔離を免除するこの方法は、10日間の自主隔離に劣っていないと考えられるとし、自主隔離による悪影響を最小限に抑えながら、感染拡大のリスクを軽減できることが示されたとまとめている。

(ケアネット 遊佐 なつみ)