血管腫・血管奇形ガイドラインが5年ぶりに改訂

提供元:ケアネット

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公開日:2022/10/05

 

 第18回日本血管腫血管奇形学会学術集会(2022年9月16~17日)において、「血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン改訂について」(科研製薬共催)と題したセミナーが開催され、秋田班ガイドライン改訂統括委員長を務める新潟大学大学院小児外科学分野の木下 義晶氏が解説した。

 今回のガイドラインは、第1版である「血管腫・血管奇形診療ガイドライン2013」、第2版である「血管腫・血管奇形・リンパ管奇形診療ガイドライン2017」に次いだ第3版となり、名称は「血管腫・脈管奇形・血管奇形・リンパ管奇形・リンパ管腫症診療ガイドライン2022」となる見込みという。本ガイドラインの作成は2020年から開始され、Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017に則して作成されている。

 第2版では33個のクリニカルクエスチョン(CQ)が採用されていたが、本ガイドラインでは内容が拡充され38個のCQが採用される。そのうち、第2版から継続されたCQが20個、改訂されたCQが6個、第2版以前にはなく新たに設定されたCQが12個となる。約3分の1が新しいCQであり、とくに形成外科医により設定されたCQが多く増える見込みとなる。新しいCQの中には、リンパ管奇形に対する漢方薬の有効性に関する内容や乳児血管腫に対するプロプラノロールの使用時期に関する内容などが含まれる予定となる。また、前版からの大きな違いとして、一般向けのサマリーが各CQの解説文に追加され、患者にとってもわかりやすい言葉で記載され理解を促すことができるという。

 現在はパブリックコメントの募集、ガイドラインの英文化を進めており、2022年中に公開が予定されている。

(ケアネット 生島 智樹)