日本人労働者の睡眠負債がプレゼンティズムや心理的苦痛に及ぼす影響

提供元:ケアネット

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公開日:2022/07/01

 

 健康上の問題を抱えながら仕事や業務に携わる状態を表すプレゼンティズム(presenteeism)は、生産性の低下やメンタルヘルスの問題による欠勤のリスク指標である。北海道医療大学の高野 裕太氏らは、睡眠負債、ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)、不眠症状がプレゼンティズムや心理的苦痛に及ぼす影響を調査した。その結果、不眠症状は、睡眠負債や社会的時差ぼけよりも、プレゼンティズムや心理的苦痛に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。プレゼンティズムや心理的苦痛に対し、睡眠負債もまた独立した影響を及ぼしているが、社会的時差ぼけの影響は認められなかった。BioPsychoSocial Medicine誌2022年6月3日号の報告。

 研究参加者は、日本人労働者351人(男性:271人、女性:79人、その他:1人、平均年齢:49±9.49歳)。参加の適格基準は、フルタイム雇用、1日8時間・週5日勤務、夜勤なしとした。参加者は、睡眠負債、社会的時差ぼけ、不眠症状、プレゼンティズム、心理的苦痛を測定するための質問票に回答した。

 主な結果は以下のとおり。

・不眠症状は、睡眠負債や社会的時差ぼけと比較し、プレゼンティズム(調整オッズ比[aOR]:5.61、95%信頼区間[CI]:2.88~10.91)や心理的苦痛(aOR:7.29、95%CI:3.06~17.35)に対する影響が最も大きかった。
・睡眠負債は、社会的時差ぼけと比較し、プレゼンティズム(aOR:1.61、95%CI:1.14~2.27)や心理的苦痛(aOR:1.68、95%CI:1.11~2.54)への影響が大きかった。
・プレゼンティズム(aOR:1.04、95%CI:0.91~1.20)や心理的苦痛(aOR:0.96、95%CI:0.76~1.22)に対する社会的時差ぼけの影響は認められなかった。

(鷹野 敦夫)