2剤以上のTKI治療歴のある慢性期CML、asciminibの96週時点における効果(ASCEMBL)/ASCO2022

2剤以上のTKI治療歴のある慢性期慢性骨髄性白血病(CML-CP)患者に対して、BCR-ABL特異的アロステリック阻害薬であるasciminibの効果や忍容性は、2年を超えても持続することが示された。米国・Georgia Cancer CenterのJorge E. Cortes氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で報告した。
2剤以上のTKI治療歴を有するCML-CP患者に対するasciminibの投与は、ボスチニブに比べて24週時点での分子遺伝学的大奏効(MMR)率が高いことが、オープンラベルの無作為化第III相ASCEMBL試験によって報告されている。今回は、重要な副次評価項目として設定されていた96週時点の結果について評価した。
・対象:2剤以上のTKIによる治療歴を有するCML-CP患者(233例)
・試験群:asciminib 40mg✕2/日を投与(157例)
・対照群:ボスチニブ 500mg/日を投与(76例)
・評価項目:
[主要評価項目]24週時点におけるMMR率
[重要な副次評価項目]96週時点におけるMMR率
主な結果は以下のとおり。
・観察期間中央値2.3年の時点で、試験群の84例(53.5%)と対照群の15例(19.7%)で服薬が継続していた。服薬期間の中央値は試験群で23.7ヵ月、対照群では7.0ヵ月であり、試験群の7.0%、対照群の25.0%は有害事象(AE)により服薬中止となっていた。
・96週時点のMMR率は試験群が37.6%、対照群が15.8%であり、両群間の差は21.7%で、試験群は対照群の2倍以上のMMR率を達成していた。
・試験群と対照群のMMR率を経時的にみると、24週時点では25.5%と13.2%(差は12.2%)、48週時点では29.3%と13.2%(差は16.1%)であり、時間の経過に伴い試験群のMMR率は上昇し、対照群との差も広がっていた。
・いずれのサブグループで解析しても、も96週時点のMMR率は試験群で高かった。
・96週時点でBCR-ABL1ISが1%以下だった患者は、試験群で45.1%、対照群では19.4%であった。
(ケアネット)
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