新規作用機序の慢性骨髄性白血病治療薬セムブリックス錠新発売/ノバルティス ファーマ

提供元:ケアネット

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公開日:2022/06/06

 

 ノバルティス ファーマは2022年5月25日、前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病に対する治療薬、セムブリックス錠20mg、同40mg(一般名:アシミニブ塩酸塩)を発売したことを発表した。

 慢性骨髄性白血病(CML)は、分子標的薬であるチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の登場により、通院での治療が可能な慢性疾患になったとも言われている。しかし、TKI治療を受けている患者の約半数が、現在のTKI治療に抵抗性となる、または副作用により使用が継続出来なくなる不耐容などの理由により、治療変更を余儀なくされていた。

 今回発売されたセムブリックスは、ABLミリストイルポケットを特異的に標的とするSTAMP阻害作用という、従来のTKIとは異なる作用機序を有している。2剤以上のTKI治療歴のあるCML患者の抵抗性に対処し、白血病細胞の過剰産生とも関連するBCR-ABL1遺伝子の変異を克服できる可能性があるともされている。

 ノバルティス ファーマはセムブリックスの発売により、これまでのTKI治療では効果が十分に得られていない、また副作用により日常生活に支障を来すような患者に新しい治療選択肢を提供することが可能になった、としている。

セムブリックス錠製品概要
・製品名:セムブリックス錠(20mg、同40mg)
・一般名:アシミニブ塩酸塩
・効能・効果:前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病
・用法・用量:通常、成人にはアシミニブとして1回40mgを1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
・承認取得日:2022年3月28日
・発売日:2022年5月25日
・薬価:セムブリックス錠20mg(20mg 1錠)5,564.50円、セムブリックス錠40mg(40mg 1錠)10,618.30円
・製造販売元:ノバルティス ファーマ株式会社

(ケアネット 丸山 香)