モビコール配合内用剤HD新発売、モビコール配合内用剤LDとの違いは?

提供元:ケアネット

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公開日:2022/06/02

 

 EAファーマ、エーザイ、持田製薬は2022年5月20日、慢性便秘症治療薬「モビコール配合内用剤HD」(以下、モビコールHD)を新発売したことを発表した。

 モビコールHDは、慢性便秘症治療薬「モビコール配合内用剤LD」(以下、モビコールLD)の2倍量が1包に包装されている高用量製剤だ。そのためモビコールLDを2包単位で使用する患者にとって、アルミ袋の開封操作の手間や経済的負担の軽減、廃棄物の削減が期待できる。

 モビコールLDおよびモビコールHD(両規格あわせて以下、本剤)は、2歳以上の小児、成人で使用可能である。モビコールLDおよびモビコールHDの主成分のポリエチレングリコール(マクロゴール4000)が浸透圧効果により腸管内の水分量を増加させ、その結果、便中水分量が増加することで便が軟化、便容積が増大する。それにより、生理的に大腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発化し、排便が促される。また、モビコールLDおよびモビコールHDは水に溶解して服用するため、適切な硬さの便がみられるまで適宜増減が可能なことも特徴だ。

 便秘症は、若年層では女性に多く、高齢者では男女ともに罹患比率が高い疾患である。また小児においてはとくに重症化しやすいといわれている。排便回数の減少に加えて、残便感、硬便などの症状が認められ、慢性化することで多くの患者はQOL(生活の質)の低下に悩まされている。EAファーマ、エーザイ、持田製薬は、既存の慢性便秘症治療薬「グーフィス錠5mg」およびモビコールLDに加え、新規格のモビコールHDを販売することで、多様な病態背景を持つ慢性便秘症に対する治療選択肢を広げ、患者やその家族、医療従事者のニーズの充足とベネフィット向上に貢献していく、としている。

モビコール配合内用剤LD モビコール配合内用剤HD 製品概要

・製品名:モビコール配合内用剤LD、モビコール配合内用剤HD
・成分名:マクロゴール4000、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム
・効能・効果:慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
・用法・用量:本剤は、水で溶解して経口投与する。
 通常、2歳以上7歳未満の幼児には初回用量としてモビコール配合内用剤LD(以下LD)1包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量としてLD 4包またはモビコール配合内用剤HD(以下HD)2包まで(1回量としてLD 2包またはHD 1包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 1包までとする。
 通常、7歳以上12歳未満の小児には初回用量としてLD 2包またはHD 1包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量としてLD 4包またはHD 2包まで(1回量としてLD 2包またはHD 1包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 1包までとする。
 通常、成人および12歳以上の小児には初回用量としてLD 2包またはHD 1包を1日1回経口投与する。以降、症状に応じて適宜増減し、1日1~3回経口投与、最大投与量は1日量としてLD 6包またはHD 3包まで(1回量としてLD 4包またはHD 2包まで)とする。ただし、増量は2日以上の間隔をあけて行い、増量幅は1日量としてLD 2包またはHD 1包までとする。
 ※増量は2日以上の間隔をあけて行うこと
・包装:100包
・承認年月日:モビコール配合内用剤LD 2018年9月21日
       モビコール配合内用剤HD 2021年1月25日
・薬価基準収載日:モビコール配合内用剤LD 2018年11月20日
         モビコール配合内用剤HD 2021年11月25日
・薬価:モビコール配合内用剤LD 1包 75.30円
    モビコール配合内用剤HD 1包 131.60円
・発売日:モビコール配合内用剤LD 2018年11月29日
     モビコール配合内用剤HD 2022年5月20日
・製造販売元:EAファーマ株式会社
・EAファーマ株式会社とのプロモーション提携:エーザイ株式会社
・販売:持田製薬株式会社

(ケアネット 野辺 加織)