lecanemabの最新知見を第16 回アルツハイマー・パーキンソン病学会で発表/バイオジェン

エーザイ株式会社とバイオジェン・インクは、早期アルツハイマー病(AD)の治療薬として開発中の抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体lecanemabに関する最新の知見を、3月15日から20日までスペイン・バルセロナおよびバーチャルで開催された「第16回アルツハイマー・パーキンソン病学会(International Conference on Alzheimer’s and Parkinson’s Diseases:AD/PDTM 2022)のシンポジウム「ADにおけるAβ標的治療法2」で発表した。
lecanemabをaducanumabとgantenerumabの特許を基に作製した抗体と比較
lecanemabに関する最新の知見の主な発表内容は以下の通り。・lecanemabの結合プロファイルを調べた結果では、aducanumabとgantenerumabの特許に記載された配列を基に作製した抗体と比較して、lecanemabはAβに対し最も強力な結合力を示し、プロトフィブリルに対して高い親和性を示した。
・早期ADを対象としたlecanemab臨床IIb相試験(201試験)および非盲検長期投与試験(OLE試験)より、lecanemabの最も有効な用量として10mg/kg biweekly投与を決定した。
・201試験より、lecanemab投与後18ヵ月後のアミロイドPET SUVrと血漿Aβ42/40比、血漿P-Tau181のベースラインからの変化量に相関が認められた。
・早期ADにおけるlecanemabの臨床効果と安全性を最適に検証する臨床第III相Clarity AD試験を設計し、グローバルで1,795例の被験者登録を完了した。主要評価データは2022年の秋に取得が予定されている。
・プレクリニカルADを対象とした臨床第III相AHEAD 3-45試験に関して、2022年3月の時点で2,900例以上のスクリーニングが行われ、287例が登録された。
lecanemabは、米国食品医薬品局(FDA)から2021年6月にBreakthrough Therapy、12月にFast Trackの指定を受けている。また、2022年3月、日本においてlecanemabの早期承認取得を目指し、医薬品事前評価相談制度に基づいて独立行政法人医薬医療機器総合機構(PMDA)に対して申請データの提出を開始した。
(ケアネット 生島 智樹)
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