肺がんCCRTのデュルバルマブ維持療法の5年解析(PACIFIC)/JCO

Stage IIIの非小細胞肺がん(NSCLC)における化学放射線同時療法(CCRT)後のデュルバルマブ維持療法を評価した第III相PACIFIC試験の5年生存データが、Journal of Clinical Oncology誌に発表された。化学放射線同時療法後のデュルバルマブ維持療法は5年後も良好な成績を示している。
・対象:CCRT後に進行していない切除不能Stage III NSCLC患者
・試験群:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月(473例)
・対照群:プラセボ、2週ごと12ヵ月(236例)
・評価項目:
[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会(BICR)判定による無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)
[副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。
主な結果は以下のとおり。
・調査対象患者の追跡期間中央値は61.6ヵ月であった
・更新されたOS中央値はデュルバルマブ群47.5ヵ月、プラセボ群29.1ヵ月で、ハザード比(HR)は0.72(95%CI:0.59〜0.89)であった。
・ PFS中央値はデュルバルマブ群16.9ヵ月、プラセボ群は5.6ヵ月で、HRは0.55(95%CI:0.45〜0.68)と、初回解析の結果から一貫していた。
・推定5年PFS率はデュルバルマブ群33.1%に対し、プラセボ群は19.0%であった。
5年間の追跡結果でも、化学放射線同時療法後のデュルバルマブ維持療法は強固なOS成績と持続的なPFSの改善を示している。
(ケアネット 細田 雅之)
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