EGFR陽性肺がん1次治療ラムシルマブ+エルロチニブの日本人サブセット(RELAY)/JTO Clin Res Rep

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/11/16

 

 未治療のEGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)に対するラムシルマブ+エルロチニブの1次治療は、国際第III相RELAY試験で無増悪生存期間を有意に延長した(ハザード比率[HR] =:0.59、p<0.0001])。
同試験の日本人サブ解析の結果が発表された。グローバルと同様の良好な結果が示されている。

 この日本人サブ解析では有効性、安全性および進行後のEGFRT790M変異発現率を評価している。

 主な結果は以下のとおり。

・RELAY試験449例中、日本人サブセットは211例(47.0%)で、ラムシルマブ+エルロチニブ(RAM+ERL群)106例、プラセボ+エルロチニブ(ERL群)105例に割り付けられた。
・日本人ITT集団のPFS中央値はRAM+ERL群19.4ヵ月、ERL群11.2ヵ月(HR :0.610、95%:0.431~0.864)であった。
EGFRexon19欠失グループではRAM+ERL群16.6ヵ月、ERL群12.5ヵ月(HR:0.701、0.424~1.159)であった。
EGFRexon21 L858RグループではRAM+ERL群19.4ヵ月、ERL群10.9ヵ月(HR:0.514、0.317~0.835)であった。
・RAM+ERL群のGrade3以上の有害事象は高血圧(24.8%)、ざ瘡様皮膚炎(23.8%)などであった。
・治療進行後のエルロチニブ耐性によるEGFRT790M発現率はRAM+ERL群47%、ERL群50%、と両群間で同等であった。

 ラムシルマブ+エルロチニブの1次治療は、日本人サブセットにおいて、臨床的に意味のある有効性を示し、新たな安全性の問題も認められなかった。ラムシルマブの追加が、治療進行後EGFRT790Mのへ発現に影響をおよぼすこともなかった。

(ケアネット 細田 雅之)

参考文献・参考サイトはこちら