EGFR exon20挿入変異肺がんに対するDZD9008の可能性/ASCO2021

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/06/30

 

 EGFR exon20挿入変異(exon20ins)変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するEGFR阻害薬DZD9008の第I相試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、台湾大学のJames Chin-Hsin Yang氏から報告された。

 EGFR exon20insはNSCLCの2%以下だが、これまでもいくつかの研究が行われている。本報告は、国際共同の2つの第I相試験を合算した中間解析結果である。

・対象:EGFRまたはHER2 exon20insを有する既治療の進行NSCLC
・介入:用量漸増コホートでは、DZD9008 50mg、100mg、200mg、300mg、400mg/日を投与、用量拡大コホートでは200mgと300mg/日を投与
・評価項目:
[主要評価項目]安全性、忍容性
[副次評価項目]体内薬物動態、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、病勢制御率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)

 主な結果は以下のとおり。

・安全性評価は102例を対象に、有効性評価はExon20insの56例を対象とした。
・患者の年齢中央値は59歳、女性が約60%、既治療ライン中央値は安全性評価では3、有効性評価では2、脳転移は安全性評価の43.1%、有効性評価の41.1%に認められた。
・全体のORRは41.1%(confirmed ORR37.5%)、DCRは85.7%であった。
・Grade3以上の薬剤関連有害事象(drAE)は、200mg投与群で6.3%、300mg投与群で33.3%、400mg投与群では70.0%であった。
・Grade3以上のdrAEは、クレアチンキナーゼ上昇6.9%、下痢4.9%、貧血3.9%、爪周囲炎2.0%、肝酵素上昇2.0%などであった。安全性プロファイルは既存のTKIと同様で、皮膚障害や悪心などはGrade1〜2であった。

(ケアネット)

参考文献・参考サイトはこちら