新型コロナワクチン接種、間違い防止チェックリストの活用を/厚労省

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/27

 

 厚生労働省は各医療機関などが新型コロナワクチン接種を実施するにあたり、ホームページ内の「新型コロナワクチンの接種を行う医療機関へのお知らせ」「新型コロナワクチンに関する自治体向け通知・事務連絡等」ページにて『予防接種を適切に実施するための間違い防止チェックリスト』を公開している。

 このリストは、「確認チェックリスト」「医師がチェックする確認事項の解説」「事故予防対策の例」の3つに項目立てされており、受付・問診から救急搬送措置に至るまで、注意すべきポイントが一連の流れに沿って記載されている。

 医師がチェックする確認事項は多岐にわたり、ワクチンの種類(メーカー名)や接種量はもちろんのこと、受付で確認済みの診察券、予診票、母子健康手帳、予防接種済証も医師が再確認することになっている。また、現時点では16歳未満への接種は推奨されていないが、沖縄の離島で年齢確認を誤り15歳の高校生に接種してしまった事例が報告されており、「来場者がワクチンの対象接種年齢であるか」「直前の予防接種実施日(新型コロナワクチン以外の場合は、原則13日以上の間隔が空いていること)」などの確認について、医療者より知識の少ない一般市民への接種には十分な配慮が必要である。

 以下はリストの項目のみ抜粋したもの。

1 確認チェックリスト(医師、看護師、保健師等及び事務従事者が分担し、ダブルチェックを行う。)
(1)個別接種
A.受付時の確認事項
B.問診時の確認事項
C.接種時の確認事項
D.接種後の確認事項
E.ワクチン保管の確認事項
I.救急搬送措置の確認事項

(2)集団接種
A.受付時の確認事項 B.問診時の確認事項 C.接種時の確認事項 D.接種後の確認事項については、(1)個別接種と同じ。
F.事前の準備での確認事項
G.当日の準備での確認事項
H.予防接種液の調整
I.救急搬送措置の確認事項

2 医師がチェックする確認事項の解説
 医師は、上記のチェックリストの「B.問診時の確認事項」「C.接種時の確認事項」「D.接種後の確認事項」「E.ワクチン保管の確認事項」について、看護師、保健師等及び事務従事者のチェックが適切に行われているか再確認する。
 とくに、以下のBの1)、2)、3)、4)、5)及びCの4)については、慎重に確認する。
B.問診時の確認事項
C.接種時の確認事項
D.接種後の確認事項
E.ワクチン輸送・保管の確認事項

3 事故予防対策の例
1)予定外のワクチン接種(ワクチンの取り違え)
2)接種量の誤り
3)接種回数の誤り
4)接種方法の誤り
5)接種間隔の誤り
6)接種開始時期の誤り
7)予診票確認の不備
8)有効期限切れワクチンや注射器での接種
9)接種後の安全確保
10)ワクチン保管の不備
11)特設の接種会場における事故

(ケアネット 土井 舞子)