小児のブルーライトカット眼鏡、使用を推奨せず/日本眼科学会

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2021/04/19

 

 2021年4月14日、日本眼科学会、日本眼科医会、日本近視学会、日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会は合同で「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」と題した声明を発表した。

 近年、パソコンやタブレット端末、スマートフォンに触れる時間が長くなっている小児に対してブルーライトカットの眼鏡を奨励する動きがあるが、専門家としてこれに危惧を呈する内容となっている。その主な理由は以下のとおり。

(1)デジタル端末の液晶画面から発せられるブルーライトは、曇天や窓越しの自然光よりも少なく、網膜に障害を生じることはないレベル。
(2)小児にとって太陽光は、心身の発育に好影響を与える。十分な太陽光を浴びない場合、小児の近視進行のリスクが高まる。ブルーライトカット眼鏡の装用は、ブルーライトの曝露自体よりも有害である可能性が否定できない。
(3)最新の米国科学誌に掲載されたランダム化比較試験では、ブルーライトカット眼鏡
には眼精疲労を軽減する効果がまったくない、との報告がある1)
(4)日中にブルーライトカット眼鏡をあえて装用する有用性は根拠に欠ける。

 あわせて米国眼科アカデミーのサイトにあるQ&Aが掲載され、小児はもとより成人に対してもブルーライトカット眼鏡の使用を推奨しない、目を休ませるためには頻繁に休憩をとって画面から目を離す、就寝2~3時間前からデジタル機器の使用を控えることを推奨する、等が紹介されている。

(ケアネット 杉崎 真名)

[ あわせて読みたい ]