zoom導入率は?医療機関のオンライン化はこの1年でどのくらい進んだか

提供元:ケアネット

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公開日:2021/04/06

 

 この1年間、新型コロナの影響で院内カンファレンスや学会のオンライン化が一気に進んだとされる。実際のところ、医療機関ではどんなツールが導入され、どんな目的に使われているのか。20床以上の医療機関に勤務する会員医師にオンラインアンケートを行い、1,019人から回答を得た。

 「『2020年以降』に、勤務先の医療機関で導入されたオンラインツール」(複数回答可)を聞いた設問では、オンライン会議ツール「zoom」が620人(61%)と最多となり、「LINE」が122人(12%)、「Skype」が66人(6%)と続いた。「2020年以降に導入されたツールはない」との回答は329人(32%)だった。

 医療機関の規模別にみると、「(導入時期を問わず)導入されているオンラインツールはない」と回答した人の割合は20~99床では40%、100~199床では34%、200床以上では28%と減少し、医療機関の規模が大きくなるにつれツールの導入が進んでいる状況が見えた。導入ツールの種類に大きな差はないが、複数のツールが一気に導入された医療機関がある一方で、現在に至るまでまったく導入されていない医療機関もあった。

 オンラインツールを使う目的(複数回答可)としては「学会・講演会への参加」が最も多く326人、「組織内の会議」が289人、「組織内のカンファレンス・勉強会」が247人などとなった。

 導入済みのツールの「優れている点」を自由回答で聞いた設問では、「皆が使っているので使い方を聞ける」、「学会の指定だったため」、「他のツールを使っていないのでわからない」と、半ば強制的に使い始めたものの、大きな不便はなく利用できている旨の回答が目立った。とくに地方で勤務する医師からは「学会に参加しやすくなった」「患者さんとご家族が負担なくコミュニケーションをとれる」(すべてzoomの利用者)と歓迎の声が見られた。

 一方で、問題点としては「途中で途切れる」「音声が聞こえなくなることがある」というシステム面のほか、「無料版だと時間が限られる」(いずれもzoom利用者)という点への指摘が多かった。他には、「双方向の議論をしにくい」というコミュニケーションの難しさを挙げる声や、「組織内のIDでしか使えないのが不便」「用途が制限されている」「ツールに不満はないが、院内の回線状況が悪過ぎる」といった、勤務先のルールやシステム面への不満を指摘する声が上がった。

アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。
病院のオンライン化、この1年でどのくらい進みましたか?

(ケアネット 杉崎 真名)

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