新型コロナ軽症例に出現、味覚障害以外の口腔病変とは?

提供元:ケアネット

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公開日:2021/02/09

 

 ブラジル・ブラジリア大学のDos Santos氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の口腔徴候と症状の有病率に関するエビデンスの系統的レビューを行い、味覚障害以外の口腔病変について明らかにした。Journal of Dental Research誌2021年2月号掲載の報告。

 本レビューはPRISMAチェックリストに基づき、文献は6つのデータベースと灰色文献から検索されたCOVID-19患者の口腔症状と徴候に言及する研究が含まれた。バイアスのリスクはJBI(Joanna Briggs Institute)の評価ツールを用いて評価した。このレビューには33件の横断的研究と7件の症例報告の計40件の研究が含まれていた。

 主な結果は以下のとおり。

・全19ヵ国の1万228例(男性:4,288例、女性:5,770例、不明:170例)が評価された。
・最も一般的な口腔症状として、味覚障害の有病率は45%(95%信頼区間[CI]:34~55、I2=99)だった。
・さまざまな味覚障害についてプールされた適格なデータによると、味覚障害の有病率は38%、味覚減退は35%で、味覚消失は24%であった。
・COVID-19による味覚障害のオッズ比[OR]は12.68(95%CI:6.41〜25.10、I2=63、p<0.00001)、軽症/中等症では2.09(95%CI:1.25〜3.49、I2=66、p=0.005)、女性では1.64(95%CI:1.23〜2.17、I2=70、p=0.0007)だった。
・口腔の粘膜病変は、白および紅斑性プラーク、不整な潰瘍、小さな水疱、点状出血、剥離性歯肉炎など複数の臨床的側面を示した。また、舌、口蓋、唇、歯肉、および頬粘膜が影響を受けていた。
・軽症例の口腔粘膜病変は、初期の呼吸器症状の発症前または同時に出現した。一方、薬物治療と入院を要した症例の場合は、発症後およそ7〜24日後だった。

 研究者らは、「COVID-19において口腔粘膜病変は、重感染や複数の臨床的側面を伴う二次的な症状として現れる可能性が高い」としている。

(ケアネット 土井 舞子)