オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCの2次治療のOS結果(AURA3最終)/Ann Oncol

提供元:ケアネット

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公開日:2020/11/23

 

 第3世代EGFR-TKIオシメルチニブについて検討した、AURA3試験の最終解析結果が報告された。同試験においてオシメルチニブは、既治療のEGFR T790M変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して、プラチナ併用化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および奏効率を有意に改善することが示されていた。今回、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのV A Papadimitrakopoulou氏らは、最終的な全生存(OS)期間について解析を行い、オシメルチニブ群とプラチナ+ペメトレキセド群に統計学的な有意差は認められなかったと発表した。ただし、示された結果について著者は、プラチナ+ペメトレキセド群からオシメルチニブ群へのクロスオーバーが高率であったことを反映している可能性があると指摘している。Annals Oncology誌2020年11月号掲載の報告。

 AURA3試験の対象は、EGFR-TKIによる1次治療中に病勢進行したEGFR T790M変異陽性の切除不能な進行・再発NSCLC成人患者。被験者は、オシメルチニブ群またはプラチナ+ペメトレキセド群(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド、3週ごと最大6サイクル)に、2対1の割合で無作為に割り付けられ追跡を受けた。

 プラチナ+ペメトレキセド群では、盲検化独立中央評価によって病勢進行が確認された場合は、オシメルチニブへのクロスオーバーが許容された。OSおよび安全性が副次評価項目であった。

 主な結果は以下のとおり。

・279例がオシメルチニブ群、140例がプラチナ+ペメトレキセド群(治療を受けたのは136例)に割り付けられた。
・データカットオフ(2019年3月15日)時点での死亡は、オシメルチニブ群188例(67%)、プラチナ+ペメトレキセド群93例(66%)であった。
・OS中央値は、オシメルチニブ群26.8ヵ月、プラチナ+ペメトレキセド群22.5ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.87、95%CI:0.67~1.12、p=0.277)。
・24ヵ月および36ヵ月の推定生存率(オシメルチニブ群 vs.プラチナ+ペメトレキセド群)は、それぞれ55% vs.43%、37% vs.30%であった。
・クロスオーバー調整後のOSのHRは0.54(95%CI:0.18~1.6)であった。
・最初の後治療または死亡までの期間は、オシメルチニブ群で有意に延長し、臨床的に意義のある利点が示された(HR:0.21、95%CI:0.16~0.28、p<0.001)。
・データカットオフ時点では、プラチナ+ペメトレキセド群の73%(99/136例)がオシメルチニブ群にクロスオーバーしており、そのうち67%(66/99例)が死亡した。
・主な治療関連有害事象は、オシメルチニブ群では下痢(32%、Grade3以上は1%)および発疹(32%、Grade3以上は<1%)、プラチナ+ペメトレキセド群では悪心(47%、Grade3以上は3%)であった。

(ケアネット)

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