日本人女性の食事パターンとうつ病との関連

提供元:ケアネット

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公開日:2020/08/20

 

 健康的な食事や地中海式の食事のような質の高い食事パターンは、うつ病の予防と関連しているといわれている。昭和女子大学の小西 香苗氏は、西洋的な食事パターンとは異なる健康的な日本の食事パターンが、日本人女性の抑うつ症状と関連しているかについて、調査を行った。Public Health Nutrition誌オンライン版2020年7月17日号の報告。

 長野県の20~72歳の日本人女性1,337例を対象に横断的研究を行った。うつ症状は、米国国立精神衛生研究所でうつ病の疫学研究用に開発された自己評価尺度(CES-D Scale)を用いて評価を行った。食事パターンは、検証された簡便な食事歴アンケートを用いて評価し、56食品の摂取量から成分分析を行った。

主な結果は以下のとおり。

・「健康的な日本食」「スイーツ-脂質」「シーフード-アルコール」の3つの食事パターンが特定された。
・最も良い食事パターンは、「健康的な日本食」であった。
・「健康的な日本食」の特徴は、野菜、きのこ、海藻、大豆製品、じゃがいも、魚介類、果物の摂取量が多いことであった。
・「健康的な日本食」スコアの最高四分位における、うつ症状の年齢調整オッズ比(OR)は0.58(95%CI:0.41~0.82)、多変量調整ORは0.69(95%CI:0.45~1.06)であった。
・「スイーツ-脂質」「シーフード-アルコール」の食事パターンでは、関連性は認められなかった。

 著者らは「健康的な日本の食事パターンは、抑うつ症状を予防する可能性がある。健康的な日本食に含まれる食材は抗炎症作用を示すと考えられ、この要因がより良いメンタルヘルスと関連している可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)