術前療法で残存病変のあるHER2+早期乳がん、術後T-DM1による末梢神経障害・血小板減少症・CNS再発(KATHERINE)/ESMO2019

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ケアネット

術前療法で残存病変のあるHER2+早期乳がん、術後T-DM1による末梢神経障害・血小板減少症・CNS再発(KATHERINE)/ESMO2019のイメージ

 トラスツズマブを含む術前化学療法で浸潤がんの残存がみられたHER2陽性早期乳がんに対する術後補助療法としてT-DM1(トラスツズマブ エムタンシン)の効果をトラスツズマブと比較したKATHERINE試験において、末梢神経障害、血小板減少症、中枢神経系(CNS)再発に関する詳細な分析結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)でドイツ・Helios Klinikum Berlin BuchのMichael Untch氏より報告された。T-DM1による末梢神経障害に関して、ベースライン時の末梢神経障害が持続期間と消失率に影響する可能性があるが発現率には影響せず、術前化学療法でのタキサン製剤の種類は発現率に影響しないことがわかった。

 KATHERINE試験は、HER2陽性早期乳がん1,486例を対象とした国際多施設無作為化オープンラベル第III相試験で、術後補助療法としてT-DM1(3.6mg/kg静注、3週ごと)またはトラスツズマブ(6mg/kg静注、3週ごと)を14サイクル投与した。本試験の結果は、2018年のサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS 2018)で、T-DM1がトラスツズマブに比べ無浸潤疾患生存期間(IDFS)を有意に改善したことが報告されているが、T-DM1群で末梢神経障害および血小板減少症が高率に発現し、最初のIDFSイベントとしてCNS再発率も高かった。

 主な結果は以下のとおり。

・ベースライン時の末梢神経障害に関係なく、T-DM1群で末梢神経障害の発現率が高かった(ベースライン時に神経障害あり:T-DM1群36.3%、トラスツズマブ群17.5%、ベースライン時に神経障害なし:T-DM1群31.1%、トラスツズマブ群16.8%)。
・ベースライン時に末梢神経障害があると末梢神経障害発現期間の中央値が大きく、消失率が低かった(ベースライン時に神経障害あり:352~337日、66.0~63.6%、ベースライン時に神経障害なし:243~232日、81.2~82.5%)。
・術前化学療法でのタキサン製剤の種類により、末梢神経障害の発現率に差はなかった(ドセタキセル:T-DM1群32.1%、トラスツズマブ群17.8%、パクリタキセル:T-DM1群31.8%、トラスツズマブ群16.6%)。
・術前化学療法でプラチナ製剤が投与されていた場合、T-DM1群で血小板減少症の発現率が高かった(T-DM1群36%、トラスツズマブ群27%)が、Grade3~4の血小板減少症における発現期間中央値(33日、29日)と消失率(95%、96%)はプラチナ製剤の投与の有無で差はなかった。
・T-DM1群における最初のIDFSイベントとしてのCNS再発率は高かったが、全CNS再発率は同等であった。
・T-DM1群のほうがCNS無再発期間の中央値が大きく(T-DM1群17.5ヵ月、トラスツズマブ群11.9ヵ月)、CNS再発後の全生存期間は両群に差はなかった(ハザード比:1.07、95%信頼区間:0.60~1.91)

(ケアネット 金沢 浩子)

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