わが国の進行固形がん患者におけるVTE発生頻度~多施設共同前向き観察研究/日本がんサポーティブケア学会

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 がんは静脈血栓塞栓症(VTE)のリスク因子であるといわれている。しかし、日本においては固形がん患者を対象に積極的なスクリーニングを用いてVTEの評価をする大規模な研究は報告されていない。そこで、日本人の進行固形がん患者におけるVTEの発生割合を、造影CT、下肢静脈エコー、D-ダイマーを用いたスクリーニングにより前向きに評価する多施設共同観察研究VISUAL Studyが行われた。その結果を第4回日本がんサポーティブケア学会学術集会にて静岡市立静岡病院の佐竹 康臣氏が発表した。

 対象は、初回全身治療を28日以内に予定している切除不能または進行・再発の固形がん患者(PS0~2)。主要評価項目は、登録時から登録後24週までのVTEの発生割合。副次評価項目は、VTE発生割合(登録時、12週、24週)、がん種別のVTE発生割合、症候性のVTEの発生割合、肺塞栓症の発生割合、VTEの治療状況であった。

 主な結果は以下のとおり。

・860例が対象集団として登録された。
・登録時から登録後24週までのVTEの発生割合は22.6%(860例中194例)であった。
・登録時のVTE発生割合は11.3%、12週後では16.8%、24週後では14.1%であった。
・がん種別のVTE発生は肺がん24.1%、消化器がん17.7%、肝胆膵がん25.6%、婦人科がん32.1%であった。
・症候性のVTE発生割合は4.0%、肺塞栓症の発生割合は1.0%であった。
・登録時にVTEを認めなかった患者においても、化学療法開始後には12.7%にVTEが発症した。
・治療前のVTEの独立したリスク因子は、女性、D-ダイマー高値であった。

 インテンシブなVTEのスクリーニングを行った本試験では、わが国の進行固形がん患者におけるVTE発生頻度は、過去の報告と比較しても高いことが示された。

(ケアネット 細田 雅之)

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