妊娠中の飲酒、子供の認知機能に及ぼす影響 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/17 妊娠中のアルコール摂取は、子供の発育の危険因子であると考えられている。子宮内アルコール曝露の子供におけるバイオマーカーについては、ほとんど研究されていない。ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン・ニュルンベルクのAnna Eichler氏らは、胎便中のアルコール代謝物(エチルグルクロニド:EtG)が、小学校就学年齢の子供における認知機能の発達、ADHD関連行動、注意および執行制御の神経生理学的マーカーと関連しているかを調査した。Journal of child psychology and psychiatry, and allied disciplines誌オンライン版2017年9月11日号の報告。 母親は、妊娠第3期にアルコール摂取に関する自己アンケートを提出した。胎便のサンプルは、出生時に収集した。検出限界(10ng/g以上)を上回る胎便中EtGを有する44例と、そうではない対照群44例の比較を行った。検出量の影響を調査するため、第2の閾値(154ng/g以上)を設定した。子供が小学校就学年齢に達した際、母親はADHD関連行動を評価し、子供の認知機能の発達はIQテストバッテリーを用いて測定され、イベント関連の可能性の測定にはgo/nogoタスクを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・両方のEtG陽性群は、対照群と比較しgo/nogoタスクに対する注意力リソースが少なかった(goタスクにおけるP3が減少)。 ・胎便中EtGが154ng/g以上の群は、他の群よりもIQが6ポイント低かった。 ・EtG 154ng/g以上の群は、EtG値とADHD関連行動との間に正の相関が認められた。 ・これらの有意な影響は、母親の自己報告データでは観察されなかった。 著者らは「EtGと認知機能障害、注意力リソース能力、ADHD関連行動との関連は、部分的に検出量に依存的な影響が認められた。母親の自己報告に加え、この子宮内アルコール曝露のバイオマーカーは、子供の発達の予測因子と考えられる」としている。 ■関連記事 ADHD発症しやすい家庭の傾向 妊娠中の抗うつ薬治療、注意すべきは 母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Eichler A, et al. J Child Psychol Psychiatry. 2017 Sep 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 術後VTEの予防、REGN7508Catがエノキサパリンを上回る/Lancet(2025/12/08) 宅配DASH食+カウンセリングで血圧は改善するか/JAMA(2025/12/08) 成人期発症の再発型ネフローゼ症候群に対する抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/12/08) 10人に1人が糖尿病疑い、男性は3割が肥満/国民健康・栄養調査2024(2025/12/08) HR+/HER2-進行乳がん1~2次治療、パルボシクリブvs.ribociclib vs.アベマシクリブ(2025/12/08) 若年女性の4人に1人が低体重:運動習慣が与える影響はBMIで異なる(2025/12/08) 多くの若者がAIチャットボットにメンタルヘルスの問題を相談(2025/12/08) 代謝異常を伴う脂肪肝「MASLD」、慢性腎臓病の独立リスクに(2025/12/08) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 化療スタンダードレジメン(2014/01/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」 (2014/10/08) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/06/17) Dr.ゴン流ポケットエコー簡単活用術(2014/06/11) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/06/03)