急激な空腹時血糖の増加、心血管リスク高い~吹田研究

心血管疾患(CVD)発生率との関連において、空腹時血糖(FPG)の変動を検討した研究はこれまでほとんどなかった。今回、国立循環器病研究センター/藤田医科大学の尾形 宗士郎氏らは、吹田研究でCVD発生とFPGの変動によるサブグループを評価した。本研究の結果から、著者らは「FPGが急激に増加した人は、CVD予防のために危険因子の管理が重要かもしれない」としている。Journal of the American Heart Association誌2019年2月5日号に掲載。
本研究は、日本の集団ベースのコホート研究である吹田研究による。主要アウトカムは、1989~2013年における最初のCVDイベント(脳卒中および冠動脈疾患)の発生率で、FPGは2年ごとに測定された。CVD累積発生率の調査期間におけるFPGの変動をみるためにjoint latent class mixed modelを使用し、FPGの変動とCVD累積発生率でサブグループに分類した。
主な結果は以下のとおり。
・男性3,120人および女性3,482人における各追跡期間中央値17.2年および20.2年の間に、それぞれ356件および243件のCVDイベントが観察された。
・joint latent mixed modelにより、男性は3つ、女性は2つのサブグループに分類された。
・男性の3つのサブグループのうちの1つは、FPG値が急激に増加(40~80歳で96.5~205.0mg/dL)し、CVD累積発生率が高かった。
・女性の2つのサブグループのうちの1つは、FPG値が急激に増加(40~80歳で97.7~190.5mg/dL)し、CVD発生率が他のサブグループよりわずかに高い傾向があった。
(ケアネット 金沢 浩子)
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