子供における肥満とうつ病に関するメタ解析

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 14歳までに診断可能な精神疾患は全症例の半数に上るにもかかわらず、小児期の精神疾患は、医療従事者および両親にあまり認識されていない。世界的には、10~19歳において、うつ病は疾患負荷の主な原因となっている。うつ病を未治療のままにすると、学業不振、社会機能の低下、薬物乱用、成人期の再発性うつ病、自殺リスクの増加を引き起こす可能性が高まる。その結果として生じる治療費のために、国民健康保険が負担する費用は20億ポンドを超えると推定されており、うつ病の社会的および経済的影響は、かなり大きいと考えられる。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのShailen Sutaria氏らは、肥満の子供と標準体重の子供におけるうつ病の割合を比較した。Archives of Disease in Childhood誌2019年1月号の報告。

 観察研究としてシステマティックレビューおよびランダム効果メタ解析を行った。2000年1月~2017年1月までの研究を、EMBASE、PubMed、PsychINFOより検索を行った。適格基準は、18歳未満の小児を対象とし、年齢・性別によるBMIの一覧表またはInternational Obesity Task Force(IOTF)の年齢、性別のカットオフ値を用いた、横断的または縦断的観察研究とした。うつ病の併発と将来的な発症について検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・22研究より14万3,603例がメタ解析に含まれた。
・肥満児のうつ病有病率は10.4%であった。
・肥満児のうつ病発症オッズは、標準体重児と比較し、1.32(95%CI:1.17~1.50)高かった。
・女児では、肥満児のうつ病発症オッズは、標準体重児と比較し、1.44(95%CI:1.20~1.72)高かった。
・過体重児とうつ病との関連性は認められなかった(OR:1.04、95%CI:0.95~1.14)。
・男性では、肥満(OR:1.14、95%CI:0.93~1.41)または過体重(OR:1.08、95%CI:0.85~1.37)とうつ病との関連は認めらなかった。
・横断的または縦断的研究のサブグループ解析では、小児における肥満は、うつ病の併発(OR:1.26、95%CI:1.09~1.45)および将来的な発症(OR:1.51、95%CI:1.21~1.88)の両オッズと関連していることが、それぞれで明らかとなった。

 著者らは「女児における肥満は、標準体重と比較し、うつ病発症オッズが有意に高く、このリスクは、成人期まで継続することが示唆された。臨床医は、肥満女児のうつ病スクリーニングを検討すべきである」としている。

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(鷹野敦夫)

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