強迫症治療に関する国際的な展望 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/01/31 強迫症(OCD)治療に用いられる向精神薬、心理療法、新規治療法に関する国際的な傾向について、オーストラリア・シドニー大学のVlasios Brakoulias氏らが、調査を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2019年1月10日号の報告。 OCD分野の研究者らにより、サンプル特性に関する要約統計量(Summary Statistics)が収集された。各国間の要約統計量の一貫性を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・調査参加国は15ヵ国(アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、ドイツ、ギリシャ、インド、イタリア、日本、メキシコ、ポルトガル、南アフリカ共和国、スペイン、英国、米国)であった。 ・19の専門施設より、OCD患者7,340例のデータを収集した。 ・最も一般的に用いられる選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、fluoxetine(972例、13.2%)とフルボキサミン(913例、12.4%)であった。 ・最も一般的に用いられる抗精神病薬は、リスペリドン(428例、7.3%)とアリピプラゾール(415例、7.1%)であった。 ・経頭蓋磁気刺激療法などの神経刺激術、脳深部刺激療法、ガンマナイフ手術、精神科外科手術の実施は、1%未満であった。 ・OCDに対する曝露反応妨害法(ERP)の実施やアクセスには、有意な違いが認められた。 著者らは「OCD治療の各国間の違いについては、さらなる評価が必要である。OCDに対するERPは、ガイドラインで推奨されているほど頻繁には実施されておらず、多くの国でアクセス困難であると考えられる。OCD治療では、最新の治療ガイドラインが推奨される」としている。 ■関連記事 強迫症の最適治療に関する研究 SSRIで著効しない強迫性障害、次の一手は 治療抵抗性強迫症に対する増強治療に関するメタ解析 (鷹野敦夫) 原著論文はこちら Brakoulias V, et al. Hum Psychopharmacol. 2019 Jan 10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 強迫症患者における統合失調症への診断変更の可能性 医療一般(2022/04/20) 日本人成人強迫症患者におけるADHD併発の影響 医療一般 日本発エビデンス(2023/08/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] SGLT2阻害薬、自己免疫性リウマチ性疾患のリスクは?/BMJ(2025/10/24) 腹部大手術時の周術期血圧管理、個別化vs.通常/JAMA(2025/10/24) ALK陽性進行NSCLCへのアレクチニブ、OS中央値81.1ヵ月(ALEX)/ESMO2025(2025/10/24) 下剤のルビプロストン、重大な副作用にアナフィラキシー追加/厚労省(2025/10/24) 免疫療法の対象とならない進行TN乳がん1次治療、Dato-DXdがPFSとOSを延長(TROPION-Breast02)/ESMO2025(2025/10/24) 結腸がん術後ctDNAによるde-escalation、リスク低減も非劣性は示されず(DYNAMIC-III)/ESMO2025(2025/10/24) 寝たきり原因第1位「脳卒中」、最新治療アクセス改善と患者支援の最前線/日本脳卒中学会・日本脳卒中医療ケア従事者連合・日本脳卒中協会(2025/10/24) 父親の厳しい子育てが子供のメンタルヘルスに影響(2025/10/24) [ あわせて読みたい ] 合格直結!テスレクDigest(2025/07/18) 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18) ASCO2025 まとめ(2025/06/02) かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ(2025/06/13) 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01)