強迫症の最適治療に関する研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/09/14 強迫症(OCD)の治療では、認知行動療法(CBT)や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による薬物療法が行われる。単独療法よりも併用療法が優れている可能性があるものの、これを調査した研究はほとんどなかった。英国・Hertfordshire Partnership University NHS Foundation TrustのNaomi A. Fineberg氏らは、成人OCD患者を対象に、CBT、SSRI治療の単独または併用療法の治療効果について、比較検討を行った。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2018年8月15日号の報告。 成人OCD患者49例を、CBT群、SSRI群、SSRI+CBT群にランダムに割り付けた。SSRI治療では、セルトラリン(50~200mg/日)が52週間投与された。16時間のマニュアル化されたCBTを8週間、4つのフォローアップセッションと共に実施した。治療の割り付けは、評価者には盲検化された。予備的な健康経済評価を実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・症例分析では、16週目において、SSRI+CBT群(13例)で最も大きな改善効果が認められた。次いで、SSRI群(7例)、CBT群(9例)であった。 ・Yale-Brown強迫尺度(Y-BOCS)での改善を比較したエフェクトサイズ(Cohen's d)は、CBT群とSSRI+CBT群との比較で-0.39、CBT群とSSRI群との比較で-0.27であった。 ・16週目と52週目を比較すると、SSRI群で最も臨床的改善効果が認められたが、中止率が高く、信頼できる分析には至らなかった。 ・平均費用は、SSRI群と比較し、CBT群およびSSRI+CBT群で高かった。 ・SSRI群の平均質調整生存年(Quality Adjusted Life Years:QALY)スコアは、CBT群よりも0.1823(95%CI:0.0447~0.3199)高く、SSRI+CBT群よりも0.1135(95%CI:-0.0290~0.2560)高かった。 著者らは「成人OCD患者へのSSRI治療とCBTの併用療法は、とくにCBT単独療法に対して、最も臨床的に有効な治療選択肢であったが、SSRI単独療法を超える利点は16週以上持続しなかった。また、SSRI単独療法が、最も費用対効果に優れていた」としている。 ■関連記事 治療抵抗性強迫症に対する増強療法、抗精神病薬の評価は 難治性強迫性障害に有用な抗精神病薬は何か SSRIで著効しない強迫性障害、次の一手は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fineberg NA, et al. Int Clin Psychopharmacol. 2018 Aug 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 強迫症患者における統合失調症への診断変更の可能性 医療一般 (2022/04/20) 日本人成人強迫症患者におけるADHD併発の影響 医療一般 日本発エビデンス (2023/08/30) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 精神疾患の疾病負担、その世界的現況:GBD 2023/Lancet(2026/06/09) 介入効果を検討したコホート研究、約半数でアウトカム切り替え/BMJ(2026/06/09) IgA腎症の病態に根差したtelitaciceptの治療効果(解説:浦信行氏)(2026/06/09) EGFR L858R陽性NSCLC、エルロチニブ+ラムシルマブvs.オシメルチニブ(REVOL858R/WJOG14420L)/ASCO2026(2026/06/09) mHSPCへのADT+ARPI、休薬は可能か(A-DREAM)/ASCO2026(2026/06/09) PD-L1陽性転移TN乳がん1次治療のSG+ペムブロリズマブ、PFS2と後治療までの期間を改善(ASCENT-04)/ASCO2026(2026/06/09) 心不全のカリウム至適範囲は4.2〜5.0mmol/L/EHJ(2026/06/09) 日本人双極症の入院予防に対する気分安定薬と抗精神病薬の単剤/併用療法の有効性(2026/06/09) インフルワクチンによるアルツハイマー病リスク低下、高用量ワクチンでより有効(2026/06/09) [ あわせて読みたい ] 合格直結!テスレクDigest(2025/07/18) 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18) ASCO2025 まとめ(2025/06/02) かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ(2025/06/13) 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01)