高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン、8年ぶりに改訂

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 2018年12月28日、日本痛風・核酸代謝学会は『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(GL) 第3版』を発刊した。改訂は2010年以来8年ぶりとなる。近年、尿酸値の上昇は、痛風だけではなく、脳・心血管疾患や腎障害にも影響を及ぼすとの報告が増えているため、これらのイベント予防も目的として作成されている。

第3版の特徴とは
 本GLは全3章で章立てられており、第1章は作成組織・作成方針、第2章は、診療上重要度の高い7つのクリニカルクエスチョン(CQ)と、それに対するエビデンスならびに推奨度が示されている。第3章は治療マニュアルとして、リスク因子、診断、治療などが項目ごとに記載され、「医療経済」の項が新規で追加されている点などが主な特徴である。治療アルゴリズムにはこれらのCQが盛り込まれており、本GLの集大成と言っても過言ではないそうだ。

 また、これまでの病型分類は、尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型の2つのタイプであった。今回のGLには、腸からの排泄低下により血清尿酸値が上昇するという“腎外排泄低下型”の概念が追加されている。

 以下に第2章の各CQのみをGLより抜粋して示す。

第2章 クリニカルクエスチョンと推奨
CQ1)急性痛風関節炎(痛風発作)を起こしている患者において、NSAID・グルココルチコイド・コルヒチンは非投薬に比して推奨できるか?
CQ2)腎障害を有する高尿酸血症の患者に対して、尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?
CQ3)高尿酸血症合併高血圧患者に対して、尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?
CQ4)痛風結節を有する患者に対して、薬物治療により血清尿酸値を6.0mg/dL以下にすることは推奨できるか?
CQ5)高尿酸血症合併心不全患者に対して、尿酸降下薬は非投薬に比して推奨できるか?
CQ6)尿酸降下薬投与開始後の痛風患者に対して、痛風発作予防のためのコルヒチン長期投与は短期投与に比して推奨できるか?
CQ7)無症候性高尿酸血症の患者に対して、食事指導は食事指導をしない場合に比して推奨できるか?

 CQにおいて、とくに重要なポイントはCQ2、3で、腎機能低下を抑制する目的での尿酸降下薬の使用を条件付きで推奨している(欧米のGLでは推奨されていない)。一方、心血管発症リスクの軽減を目的とした尿酸降下薬の使用は、条件付きで推奨されない。ただし、降圧薬使用中の高血圧患者では痛風や腎障害を合併しやすいため、痛風や腎障害の抑制を目的に尿酸降下薬の投与が推奨されている。

■参考
日本痛風・核酸代謝学会:ガイドライン

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(ケアネット 土井 舞子)

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