双極性障害に併存する不安障害の治療

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双極性障害に併存する不安障害の治療のイメージ

 不安障害は、双極性障害患者において最もよく認められる併存疾患である。米国・パデュー大学のCarol A. Ott氏は、不安障害の治療に関して、現時点での情報をまとめた。The Mental Health Clinician誌2018年11月1日号の報告。

 主なまとめは以下のとおり。

・併存する不安障害の診断は、双極性障害の症状重症度に有意な影響を及ぼし、自殺念慮のリスクを上昇させ、心理社会的機能やQOLを低下させる可能性がある。
・CANMAT(Canadian Network for Mood and Anxiety Treatments)タスクフォースは、2012年に治療法の推奨事項を公表しており、併用治療薬として、特定の抗けいれん気分安定薬と第2世代抗精神病薬を選択肢として挙げている。
・セロトニン作動性抗うつ薬は、ほとんどの不安障害の治療に対して第1選択薬とされているが、双極性障害患者では問題となることがある。
・双極性障害での抗うつ薬の使用は、躁転リスクや気分の潜在的な不安定化と関連している。
・不安障害を併発した双極性障害患者および不安障害患者における不安障害への対処として、他の薬剤を併用する前に、気分安定薬による治療が確立されるべきである。
・ベンゾジアゼピンは、CANMATタスクフォースの推奨では、第3選択療法とされているが、不安障害を併発した双極性障害患者、PTSD(心的外傷後ストレス障害)患者、物質使用障害患者では避けるべきである。
・現在の臨床研究に基づき、ベンゾジアゼピン使用は、すべての患者において可能な限り避けなければならない。
・対人関係療法、認知行動療法、リラクゼーション療法は、不安症状(とくに感情的体験)の治療に対し有効である。

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(鷹野 敦夫)

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