うつ病に対する不眠症治療効果に関するメタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/07/09 不眠症はしばしばうつ病と併発しており、両疾患は相互に関連している。不眠症のための認知行動療法といった不眠症に特有の介入が、うつ病の改善に寄与する可能性がある。米国・ピッツバーグ大学のMarie Anne Gebara氏らは、うつ病と不眠症を併発している患者において、不眠症の治療がうつ病の改善に寄与するかについて、検討を行った。Depression and anxiety誌オンライン版2018年5月21日号の報告。 うつ病と不眠症を併発している患者のうつ症状に対する不眠症治療効果を調査するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・3,815件の研究をレビューし、23件の研究が包括基準を満たした。 ・すべての研究において、うつ病のアウトカムに対する不眠症治療の臨床効果を示唆していたが、大部分の結果では統計学的に有意な差は認められなかった。 ・介入方法と集団は多様であったが、メタ解析において、ハミルトンうつ病評価尺度(エフェクトサイズ:-1.29、95%CI:-2.11~-0.47)およびベックうつ病評価尺度(エフェクトサイズ:-0.68、95%CI:-1.29~-0.06)で測定した、うつ症状改善の中~大のエフェクトサイズが得られた。 著者らは「これらの結果は、うつ病患者に対する不眠症治療が、気分症状に良い影響をもたらすことを示唆している。不眠症特有の介入により改善されるうつ病患者のサブタイプを特定し、不眠症治療が気分症状を改善するメカニズムを明らかにするためには、さらなる検討が必要である」としている。 ■関連記事 性別で異なる、睡眠障害とうつ病発症の関連:東京医大 日本人男性、不眠でうつ病リスクが10倍にも 温泉療法でうつや睡眠も改善 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Gebara MA, et al. Depress Anxiety. 2018 May 21. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 日本における不眠症のためのインターネットベース認知行動療法に関する調査 医療一般 日本発エビデンス(2019/08/12) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性期脳梗塞、再灌流後のアルテプラーゼ投与は有益?/JAMA(2025/10/23) 世界の死亡パターン、過去30年の傾向と特徴/Lancet(2025/10/23) 心筋梗塞の非責任病変は結局どうしたら良いのか?(解説:山地杏平氏)(2025/10/23) PSMA陽性mHSPC、177Lu-PSMA-617追加でrPFS改善(PSMAddition)/ESMO2025(2025/10/23) ALK陽性非小細胞肺がんにおけるアレクチニブ後ブリグチニブの有効性/ESMO2025(2025/10/23) 免疫療法の対象とならない進行TN乳がんの1次治療、SGがPFS延長(ASCENT-03)/ESMO2025(2025/10/23) 蕁麻疹に外用薬は非推奨、再確認したい治療の3ステップ(2025/10/23) 初発統合失調症における性特異的プロラクチン異常と性腺ホルモンとの関連(2025/10/23) すでに承認されている経口薬が1型糖尿病の進行を抑制(2025/10/23) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)