FDA、BRCA変異転移乳がんにオラパリブ承認 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/01/22 米国食品医薬品局(FDA)は2018年1月12日、過去に術後補助療法あるいは転移がんへの治療として化学療法を受けた病的変異または病的変異が疑われる生殖細胞系列BRCA(gBRCA)遺伝子変異陽性/HER2陰性(HER2-)の転移を有する乳がん治療に対するPARP阻害薬オラパリブを本承認した。 今回の承認は、オープンラベル多施設試験OlympiADの結果に基づくもの。この試験では、上記患者302例をオラパリブ群と医師選択の化学療法(カペシタビン、ビノレルビンまたはエリブリン)群に2対1で無作為割り付けし、比較した。主要有効性評価項目は、盲検独立中央評価(BICR)評価による無増悪生存(PFS)。結果、推定PFS中央値はオラパリブ群7.0ヵ月、化学療法群4.2ヵ月と、有意にオラパリブ群で延長した(HR:0.58、95%CI:0.43~0.80、p=0.0009)。オラパリブ群でよくみられた(20%以上)有害事象は、貧血、悪心、疲労(無力症含む)、嘔吐、好中球減少症、白血球減少症、気道感染、下痢、敗血症、関節痛/筋肉痛、頭痛などであった。 FDAはまた、オラパリブの適応となgBRCA変異乳がん患者を特定するため、BRACAnalysis CDx検査(Myriad Genetic Laboratories、Inc.)に販売許可を付与した。 ■参考 FDAアナウンスメント OlympiAD試験(Cinical Trials.gov) Robson M, et al. N Engl J Med. 2017. June 4. [Epub ahead of print] ■関連記事 PARP阻害薬olaparib、BRCA変異乳がんの生存を42%改善/ASCO2017 OlympiAD試験(解説:矢形 寛氏) (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 PARP阻害剤オラパリブ卵巣がんに国内承認~BRCA変異問わず~ 医療一般(2018/01/23) PARP阻害薬olaparib、既治療のBRCA乳がんの予後を改善/NEJM ジャーナル四天王(2017/06/27) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 中等症~重症の潰瘍性大腸炎、抗TL1A抗体tulisokibartが有望/NEJM(2024/10/15) 大手術前のRAS阻害薬は中止すべき?/JAMA(2024/10/15) 不安症に対するベンゾジアゼピン使用、気分障害や物質使用障害の長期リスクと関連(2024/10/15) 8年ぶりの新薬登場、非専門医も押さえておきたいてんかん診療の今/ユーシービー(2024/10/15) コーヒーは動脈硬化に影響するか(2024/10/15) 腎臓結石の残存破片の排出には超音波が有効(2024/10/15) 体内での金属の蓄積は心血管疾患の悪化をもたらす?(2024/10/15) 長期的な運動は脂肪の健康的な蓄積に役立つ(2024/10/15) [ あわせて読みたい ] がん診断時から発現、抗がん剤が効かない。シリーズがん悪液質(2)【Oncologyインタビュー】第6回(2019/04/25) 食べられない、食べても痩せる…シリーズがん悪液質(1)【Oncologyインタビュー】第5回(2019/04/18) 第107回 日本泌尿器科学会総会 会長インタビュー【Oncologyインタビュー】第4回(2019/04/11) “医療者ではできない”がん患者支援…がん経験者コミュニティ「5years」【Oncologyインタビュー】第3回(2019/03/04) 膀胱がん、BCG投与後のPD-L1発現誘導【Oncologyインタビュー】第2回 (2019/02/18) 高齢者HER2陽性乳がんに、安全かつ有効な化学療法を…JCOG1607(HERB TEA)【Oncologyインタビュー】第1回(2019/02/15) 消化器がん特集(2018/06/21) 肺がん治療、患者と医療者の“スキマ”とは? 第15回【肺がんインタビュー】(2018/05/09) 肺がん特集まとめインデックス(2017/06/20) 肺がん特集(2017/06/20)