4~66歳の後天性視床下部性肥満症患者において、メラノコルチン4受容体(MC4R)作動薬setmelanotideはプラセボと比較して、有意な体重減少および食欲の低下をもたらすことが示された。米国・フロリダ大学のJennifer L. Miller氏らが日本を含む6ヵ国29施設で行われた第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。後天性視床下部性肥満症は、視床下部の損傷や疾患(鞍上部腫瘍またはその外科的切除など)に伴う広範な視床下部機能障害により急速かつ持続的な体重増加を来す。setmelanotideは後天性視床下部性肥満症患者を対象とした第II相試験で、著明な体重減少をもたらすことが認められていた。NEJM誌2026年7月9日号掲載の報告。
4歳以上の患者を対象、52週時点のBMI値の平均変化率を評価
本試験はカナダ、ドイツ、日本、オランダ、英国、米国で行われた。対象は、年齢4歳以上の視床下部性肥満症で、急速かつ持続的なBMI値の増加を認め(18歳未満の被験者:95パーセンタイル以上、18歳以上の被験者:30以上)、かつ視床下部の腫瘍、病変または損傷の既往がある患者とした。
研究グループは被験者をsetmelanotide(1.5~3.0mg)またはプラセボを投与する群に2対1の割合で無作為に割り付け、用量漸増期間後52週間にわたり1日1回皮下投与を行った。
主要エンドポイントは、用量漸増期間後52週時点のベースラインからのBMI値の平均変化率とした。副次エンドポイントは、12歳以上の被験者で評価した1日当たりの最大空腹感スコア(hunger score、範囲:0~10、高スコアほど空腹感が強いことを示す)の週平均での変化量などであった。
setmelanotide群-16.5%、プラセボ群3.3%で有意な差
2023年4月26日~2025年3月18日に、合計120例がsetmelanotide群(81例)またはプラセボ群(39例)に無作為化された。被験者背景は、平均年齢(±SD)が19.9±13.8歳(範囲:4~66歳)、18歳以上被験者の平均BMI値は41.2±9.7、18歳未満被験者の平均BMIのZスコアは3.61±1.66であった。
52週時点のBMI値の最小二乗平均(LSM)変化率は、setmelanotide群-16.5%(95%信頼区間[CI]:-19.3~-13.8)、プラセボ群3.3%(95%CI:-0.6~7.2)であった(p<0.001)。1日当たりの最大空腹感スコアの週平均でのLSM変化量は、setmelanotide群-2.73(95%CI:-3.28~-2.18)、プラセボ群-1.45(95%CI:-2.23~-0.67)であった(p=0.009)。
有害事象の発現は、setmelanotide群100%、プラセボ群90%で報告された。重篤な有害事象の発現頻度は、それぞれ28%、8%であった。setmelanotide群で最も多くみられた有害事象は、皮膚の色素沈着、悪心、嘔吐、頭痛であった。
(ケアネット)