ダブラフェニブ・トラメチニブ併用、BRAF変異肺がん1次治療で奏効率64%/ESMO2017 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/09/25 BRAF遺伝子変異でもっとも一般的なBRAF V600Eは、肺腺がんの1~2%に認められる。このBRAF V600E変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の未治療患者に対する、BRAF阻害薬ダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)とMEK阻害薬トラメチニブ(商品名:メキニスト)の併用療法の第Ⅱ相試験の結果を、スペイン・マドリードで開催された欧州腫瘍学会(ESMO2017)でフランス Institute Gustave RoussyのDavid Planchard氏が発表した。 ESMO2017での発表は、この第Ⅱ相試験における、3つの連続コホートのうち、第3コホート(コホーC)の結果。このコホートでは、未治療のBRAF V600変異転移性NSCLC患者36例が、ダラブフェニブ(150mg×2/日)とトラメチニブ(2mg×1/1日)の併用療法による1次治療を受けた。主要評価項目は、治験担当医評価の全奏効率(ORR)、副次評価項目は奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性であった。 データカットオフ時(2017年4月8日)の追跡調査期間は15.9ヵ月。ORRは64%(46~79)で、CRは2例(6%)、PRは21例(58%)であった。SDは4例(11%)で、病勢コントロール率(DCR)は75%(58~88)であった。 治験担当医評価のDORは10.4ヵ月(8.3~17.9)であった。PFS中央値は10.9ヵ月(7.0~16.6)、OS中央値は24.6ヵ月(12.3~NE)であった。 すべての患者がGrade1以上の有害事象(AE)を経験。69%がGrade3/4のAEを複数回以上経験した。重篤なAEとしては、ALT上昇14%、発熱11%、AST上昇8%、心駆出率減少が8%で報告された。 ■参考 ESMO2017プレスリリース BRF113928試験(Clinica Trials.gov) ■関連記事 BRAF変異肺がん、ダブラフェニブ・トラメチニブ併用がFDAで承認 BRAF変異肺がん、ダブラフェニブ・トラメチニブ併用がEUで承認 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 BRAF V600E遺伝子変異大腸がん、MAPK経路標的の3剤併用は?/NEJM ジャーナル四天王(2019/10/16) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 低リスク分化型甲状腺がん、全摘後のアブレーションは回避できるか/Lancet(2025/07/02) 国を滅ぼしかねない(?)ベンゾジアゼピン系、その減らし方(解説:岡村毅氏)(2025/07/02) 大手術前のRAS阻害薬の継続/中止、心血管リスク有無での判断は?(2025/07/02) 抗精神病薬による統合失調症患者の死亡リスクを比較(2025/07/02) 脂肪性肝疾患の診療のポイントと今後の展望/糖尿病学会(2025/07/02) 高所得国での非喫煙者の肺がん、よく料理する人ほどリスク高い?(2025/07/02) 就学前までのBMIの変化で将来の肥満リスクを予測可能(2025/07/02) 睡眠中の脳にカフェインはどう作用するのか(2025/07/02) カロリー制限食は抑うつ気分を高める?(2025/07/02) [ あわせて読みたい ] Dr.皿谷の肺音聴取道場(2020/05/10) 新型コロナ治療薬の有力候補、「siRNA」への期待(2020/03/26) Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 医療関連感染症編(2020/02/10) Dr.林の笑劇的救急問答14<下巻>(2019/08/07) Dr.林の笑劇的救急問答14<上巻>(2019/03/15) 志水太郎の診断戦略ケーススタディ(2019/02/15)