会員医師の金融総資産はどれくらい?

提供元:ケアネット

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公開日:2017/09/11

 

 ケアネットでは、会員医師の「金融資産について」のアンケート調査を実施した。今回、その結果がまとまったので、概要をお伝えする。

 調査は、2017年8月3日にCareNet.comの医師会員を対象に、インターネット上で実施。回答者総数は324名。その内訳は、20~30代:22%、40代:28%、50代:33%、60代:15%、70代以上:2%、所属別では勤務医師:79%、開業医師:21%だった。

金融資産は安全な預貯金が主流

 設問1で「(負債を含まない)金融資産合計」を質問したところ、1,000万円未満(37%)が最も多く、次いで1,000~3,000万円(26%)、3,000~6,000万円(19%)、6,000万円~1億円(8%)、1~3億円(7%)、5億以上(2%)、3~5億円(1%)という結果となり、3,000万円以下という回答が全体の約6割を占めた。

 設問2で「資産の内訳について、その資産の項目(複数回答)」を質問したところ、円建て預貯金(258回答)が最も多く、次いで生命保険・個人年金(110回答)、株券(76回答)、不動産(73回答)、投資信託(54回答)、外貨建て預貯金(47回答)、国債・債権(27回答)、金などの実物資産(24回答)、その他(8回答)という順になった。

 比較的安全な金融商品を選択し、銀行などへの預貯金や生命保険などが過半数を占めるなど、会員の安全志向が見受けられた。

70代では1億円以上の資産が必要!?

 設問3で「資産形成で実践したいと思っている内容について(複数回答)」を質問したところ、とくに何もない(104回答)が最も多く、次いで円建て預貯金(101回答)、株式投資(87回答)、外貨建て預貯金、投資信託が同数(各50回答)、不動産経営(32回答)、FX[外国為替証拠金取引](31回答)、生命保険、金などの実物資産への投資が同数(各27回答)、国債・債権投資(24回答)、ビットコインなどの仮想通貨への投資(12回答)の順となった。

 安全な預貯金のほか、株式投資への意欲もある一方で「とくに何もない」の回答が多く、資産形成には関心があまりないという傾向も読み取れた。

 設問4で「各年代で必要だと考える金融資産額について」質問したところ、20~30代では1,000万円以内、40代では1,000~3,000万円、50代では3,000~6,000万円、60代では6,000万円~1億円、70代以上では1億円以上という回答が最も多かった。

 年金制度への将来的な不安や老後の充実した生活への準備のため、高額化していく傾向が見受けられた。

知りたい情報の1位は?

 設問5で「手取り収入の何%を貯蓄しているか」の質問では、手取り収入の10%未満(27%)が一番多く、10%(21%)、20%(19%)、30%(12%)、50%(9%)、50%以上(7%)、40%(5%)という順になった。

 回答者の約半数が、月収入の10%前後しか貯蓄に配分していないことが判明した。

 設問6で「資産形成で一番知りたい情報について」質問したところ、資産形成の具体的方法[金融商品の種類、安全性など](40%)が一番多く、次いでライフスタイル別の必要な金融資産の額(19%)、資産管理の具体的方法[節税方法やFPなどの必要性など](17%)、医師に有利な社会制度について(13%)、医師と負債について[融資、金融機関との関係など](6%)、そのほか(5%)という順だった。

 関心としては、資産形成の細かいノウハウについての情報を求めている反面、融資や借入には関心が薄いことがうかがわれた。

 最後に「医師とお金に関して取り上げてもらいたいテーマ」について自由記載で質問したところ、「税に関する事項」が一番多く、次に「投資全般」、「相続・継承」についての回答が寄せられた。

 今回の調査の詳細と、寄せられた具体的なコメントなどはCareNet.comに掲載中

(ケアネット 稲川 進)