抗CD20抗体obinutuzumab、濾胞性リンパ腫に承認申請

提供元:ケアネット

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公開日:2017/08/28

 

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長CEO:永山 治)および日本新薬株式会社(本社:京都、代表取締役社長:前川重信)は、「CD20陽性のB細胞性濾胞性リンパ腫」を対象として国内で共同開発を進めていた抗CD20モノクローナル抗体obinutuzumabについて、中外製薬が2017年8月23日、製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表した。

 今回の申請は、ロシュ社が実施し、国内からも参加した国際共同第III相試験(GALLIUM試験)などの成績に基づいている。GALLIUM試験は、1,401例の未治療のCD20陽性進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫患者を対象に、リツキシマブ・化学療法併用の導入療法後にリツキシマブ維持療法を継続した群(リツキシマブ群)に対する、obinutuzumab・化学療法併用の導入療法後にobinutuzumab維持療法を継続した群(obinutuzumab群)の有効性と安全性を比較した非盲検無作為化国際共同第III相試験。GALLIUM試験の主要評価項目は、主治医評価による濾胞性リンパ腫患者(1,202例)における無増悪生存期間(PFS)であった。副次的評価項目は独立評価委員会判定によるPFS、全生存期間(OS)、および安全性など。

 GALLIUM試験の主要評価項目において、obinutuzumab群はリツキシマブ群と比較して34%、統計学的に有意に減少させたが(HR:0.66、95%CI:0.51~0.85、p=0.0012)、PFS中央値は未達である。副次的評価項目については未達であったが、病勢進行・再発・死亡のリスクはobinutuzumab群で29%減少した(HR:0.71、95%CI:0.54~0.93、p=0.0138)。OSは両群とも未達であった。GALLIUM試験において両群で発現した有害事象はこれまでに報告されたものと同様であったが、リツキシマブ群に比べobinutuzumab群で5%以上高く認められたGrade 3以上の有害事象は、好中球減少(43.9%対37.9%)であった。

■参考
中外製薬株式会社ニュースリリース
GALLIUM試験(Clinical Trials.gov)

(ケアネット 細田 雅之)