ペムブロリズマブの多発性骨髄腫、臨床試験の一部にFDAが実施保留命令

提供元:ケアネット

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公開日:2017/07/19

 

 Merck & Co., Inc.,は2017年7月5日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の多発性骨髄腫に対する3件の臨床試験(KEYNOTE-183試験、KEYNOTE-185試験、KEYNOTE-023試験)において、米国食品医薬品局(FDA)がクリニカル・ホールド(実施保留命令)とした旨を発表した。

 この決定は、データ監視委員会によるデータの検討において、KEYNOTE-183試験およびKEYNOTE-185試験で、ペムブロリズマブ群により多くの死亡が認められ、新規患者の登録を保留したことを基に行われている。FDAは現段階のデータで、多発性骨髄腫患者に対するペムブロリズマブとポマリドミドまたはレナリドミドの併用のリスクが潜在的なベネフィットを上回ることが示されていると判断した。KEYNOTE-183試験およびKEYNOTE-185試験の全登録患者、並びにKEYNOTE-023試験におけるペムブロリズマブ・レナリドミド・デキサメタゾン併用コホートの患者は、ペムブロリズマブの治療を中止する。このクリニカル・ホールドはペムブロリズマブの他の臨床試験への影響はない。

以下の臨床試験はクリニカル・ホールド
 •KEYNOTE-183試験:難治性または再発難治性多発性骨髄腫患者にペムブロリズマブ(MK-3475)とポマリドミド+低用量デキサメタゾンの3剤併用またはポマリドミド+低用量デキサメタゾンの2 剤併用で比較した第3相臨床試験(KEYNOTE-183 試験)

 • KEYNOTE-185試験:未治療の初発多発性骨髄腫患者にペムブロリズマブ(MK-3475)とレナリドミド+低用量のデキサメタゾンの3剤併用またはレナリドミド+低用量のデキサメタゾンの2剤併用で比較した第3相臨床試験(KEYNOTE -185試験)

以下の臨床試験は部分的にクリニカル・ホールド
 •KEYNOTE-023試験コホート1:多発性骨髄腫患者に対するペムブロリズマブ(MK-3475)のバックボーン治療との併用マルチコホート第I相臨床試験(KEYNOTE-023試験)。KEYNOTE-023試験のコホート1では、多発性骨髄腫に対して免疫調節薬(IMiD)(レナリドミド、ポマリドミド、サリドマイド)の治療を受けたことのある患者に対するペムブロリズマブとレナリドミド+デキサメタゾンの併用を評価している。

■参考
MERCK(米国本社)プレスリリース

(ケアネット 細田 雅之)