急性期統合失調症、うつ病や不安症との鑑別に有用なマーカー 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/05/24 うつ症状や不安症状は、統合失調症の早期または急性期においてみられる症状であり、適切な診断および治療を複雑化する。そのため、統合失調症とうつ病および不安症を分類する指標が早急に求められている。潜在的なバイオマーカーとして、統合失調症の3つのアップレギュレーションされたlncRNA、うつ病の6つのダウンレギュレーションされたlncRNA、全般不安症の3つのアップレギュレーションされたlncRNAが、lncRNAマイクロアレイプロファイリングおよびRT-PCRを用いて同定されている。中国・南京医科大学のXuelian Cui氏らは、潜在的なバイオマーカーによる、早期または急性期統合失調症の診断が可能かを検討した。American journal of medical genetics. Part B, Neuropsychiatric genetics誌オンライン版2017年3月28日号の報告。 すべてのlncRNAは、統合失調症患者40例、うつ病患者40例、全般不安症患者40例と正常対照者40例において、交差検定を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症の3つのアップレギュレーションされたlncRNAは、正常対照者と比較して、全般不安症患者において有意なダウンレギュレーションを発現したが、うつ病患者では認められなかった。 ・うつ病の6つのダウンレギュレーションされたlncRNAは、統合失調症患者において反対の作用で発現し、全般不安症の3つのアップレギュレーションされたlncRNAの発現は、統合失調症患者と全般不安症患者で有意に異なっていた。 著者らは「これらの結果から、統合失調症の3つのアップレギュレーションされたlncRNA発現パターンは、うつ病患者や全般不安症患者において完全に複製されず、その逆であることが示唆された。これら3つの統合失調症lncRNAは、統合失調症診断のための潜在的な指標として確立され、うつ病や全般不安症と分類可能である」としている。 関連医療ニュース 初発統合失調症患者の脳変化を調査 初発統合失調症、陰性症状の経過と予測因子 日本のDPCデータより統合失調症診断患者を分析 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cui X, et al. Am J Med Genet B Neuropsychiatr Genet. 2017 Mar 28. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症患者の不安症状はしばしば軽視されている 医療一般(2015/12/01) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ウォートンジェリー由来間葉系幹細胞、心筋梗塞後の心不全を予防か/BMJ(2025/11/19) 敗血症性ショックへの新たな蘇生戦略の提案:CRTに基づく多角的介入(解説:栗原宏氏)(2025/11/19) 小児のアトピー性皮膚炎、特発性慢性蕁麻疹の在宅治療に期待(デュピルマブ皮下注200mgペン発売)/サノフィ(2025/11/19) 平均気温の変化により誘発される精神疾患は?(2025/11/19) 小児インフルワクチン、初回2回接種の有効性は3歳未満で顕著/メタ解析(2025/11/19) プライマリ・ケア医が「意味」を感じる仕事は何か/筑波大・慶應大(2025/11/19) 医師の約3割が肥満度1以上の肥満に該当/医師1,000人アンケート(2025/11/19) 第1/2世代EGFR-TKI後にCNS進行したNSCLCへのオシメルチニブ(WJOG12819L/KISEKI)/日本肺癌学会(2025/11/19) 血液学における補体系の探求:生物学的洞察と新たな治療の展望/日本血液学会(2025/11/19) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)