自殺予防に求められる、プライマリ・ケア医の役割 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/03/08 自殺リスクの高い患者を特定するための効果的なスクリーニングシステムは、韓国のプライマリ・ケアにおいて存在しない。韓国・中央大学のYoon-Joo Choi氏らは、プライマリ・ケア患者の自殺念慮とうつ病の有病率を調査し、プライマリ環境において自殺念慮とうつ病の患者を診察する医師の認識およびマネジメント戦略の割合を調査した。International journal of mental health systems誌2017年2月7日号の報告。 プライマリクリニックおよびその勤務医師を受診した患者に対する、2部構成の調査として実施された。(1)患者への調査は、2つの地域で17日以上にわたり実施し、社会人口統計学的調査、健康行動調査、自殺念慮とうつ病の有病率を評価した。対象者は、外来患者1,363例(都市部在住:848例、農村部在住:515例)であった。(2)自殺念慮とうつ病患者に対する医師の認識およびマネジメント状況を調査した。対象者は、ローカル診療所15ヵ所(都市部:8ヵ所、農村部7ヵ所)の勤務医師18人であった。 主な結果は以下のとおり。 ・プライマリ環境における自殺念慮の有病率は18.3%(95%CI:16.2~20.3)、うつ病の有病率は13.9%(95%CI:12.6~15.7)であった。 ・自殺念慮とうつ病の割合は、一般人口と比較し、それぞれ約2.4倍、約1.4倍であった。 ・15ヵ所の診療所勤務医師のうち、自殺念慮を認識していなかったのは10ヵ所(69.7%)、うつ病を認識していなかったのは4ヵ所(26.7%)であった。 ・自殺念慮を認識していた医師6人中5人(83.3%)と、うつ病を認識していた医師14人中4人(38.6%)は、紹介準備なしで精神科紹介のみを行った。 著者らは「本知見は、プライマリ環境において、自殺念慮やうつ病を有する患者の多くは、十分な診断や治療がされていないことを示唆している。プライマリ・ケア環境の医師は、自殺念慮とうつ病の診断やマネジメントに関する教育、トレーニングを利用できるようにすべきである」としている。 関連医療ニュース うつ病や自殺と脂質レベルとの関連 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Choi YJ, et al. Int J Ment Health Syst. 2017;11:18. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 急性心筋梗塞のPCI、完全血行再建vs.責任病変のみ/Lancet(2025/11/28) SGLT2阻害薬、eGFRやアルブミン尿を問わずCKD進行を抑制/JAMA(2025/11/28) シェーグレン病への疾患修飾薬の可能性:中等度から重度のシェーグレン病患者に対するニポカリマブの有効性と安全性(DAHLIAS試験)(解説:萩野昇氏)(2025/11/28) 経口抗凝固薬の重大な副作用、脾破裂に至る脾臓出血が追加/厚労省(2025/11/28) 日本人不眠症におけるBZDからDORAへの切り替え方法(2025/11/28) 1~2個のSLN転移陽性早期乳がん、ALND省略で生存アウトカムは?メタ解析(2025/11/28) 家族の録音メッセージがICU入室患者のせん妄を防ぐ(2025/11/28) ハンズフリーでも油断禁物、会話が運転中の目の動きを妨げる(2025/11/28) 糖尿病治療、継続の鍵は「こころのケア」と「生活支援」(2025/11/28) [ あわせて読みたい ] Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」まで (2017/03/07) Dr.林の笑劇的救急問答12<下巻>(2017/02/07) スーさんの急変エコー 裏ワザ小ワザ (2017/01/07) Dr.林の笑劇的救急問答12<上巻>(2016/10/07) Dr.加藤の「これだけ眼科」(2016/10/07) イワケンの「極論で語る感染症内科」講義 (2016/08/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 総合内科専門医試験対策 アップデート問題はココが出る!2016 (2016/07/29) 感染症コンサルタント岸田が教える どこまでやるの!? 感染対策(2016/07/08)