乾癬へのイキセキズマブ長期投与の安全性

提供元:ケアネット

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公開日:2016/12/21

 

 乾癬患者への、新たな生物学的製剤であるイキセキズマブの長期投与について、安全性プロファイルは良好であることが報告された。米国・コネチカット大学のBruce Strober氏らが、臨床試験の併合解析を行った。中等症~重症の乾癬に対する治療は長期にわたるため、生物学的製剤の安全性は重要であるが、解析の結果、維持投与期間中に予測できない有害事象は認められなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年11月23日号掲載の報告。

 研究グループは、12週間の導入投与期間、12~60週間の維持投与期間および全治療期間におけるイキセキズマブの安全性を評価する目的で、臨床試験7件の併合解析を行った。

 曝露で調整した、有害事象の発現頻度(患者100人年当たり)を算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・イキセキズマブが投与された計4,209例(総曝露6,480人年)が解析に組み込まれた。
・導入投与期間に1件以上の治療関連有害事象を発現した患者の頻度は、イキセキズマブ投与251例、エタネルセプト投与236例で、重篤な有害事象の頻度はどちらも8.3であった。
・維持投与期間では、イキセキズマブ投与例における治療関連有害事象の頻度は100.4、重篤な有害事象の頻度は7.8であった。
・イキセキズマブを投与された全例において、カンジダ感染症の発現頻度は2.5であった。
・とくに注目すべき治療関連有害事象(重篤な感染症、悪性腫瘍、心血管イベントなど)の導入投与期間における頻度は、イキセキズマブとエタネルセプトとで類似していた。

(ケアネット)

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