HER2+局所進行/転移乳がんへの二重HER2阻害療法と併用の1次化学療法、エリブリンvs.タキサンの最終OS解析(JBCRG-M06/EMERALD)/ESMO Open

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/29

 

 HER2陽性(HER2+)局所進行/転移乳がんに対して、二重HER2阻害療法(トラスツズマブ+ペルツズマブ)と併用する1次化学療法として、エリブリンと医師選択のタキサンを比較した第III相JBCRG-M06/EMERALD試験の最終解析の結果、全生存期間(OS)中央値が6年を超え、2群間に有意差は認められなかったことが示された。福島県立医科大学の佐治 重衡氏らがESMO Open誌8月号に報告した。本試験ではすでに、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)においてエリブリンがタキサンに非劣性を示したことが報告されている。

 本試験では、HER2+局所進行/転移乳がん患者をエリブリン群または医師選択のタキサン(ドセタキセルまたはパクリタキセル)群に無作為に1:1の割合で割り付け、1次化学療法としてトラスツズマブ+ペルツズマブと併用した。PFSは2023年6月30日まで、OSは2024年12月31日まで評価した。生存アウトカムは、エリブリン群とタキサン群で比較し、循環腫瘍DNA(ctDNA)によるPIK3CA変異(E542K、E545K、H1047R、N345Kの単一ヌクレオチド変異)またはHER2増幅(ERBB2コピー数>2.5)の検出状況に応じて比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・OS中央値は、エリブリン群が78.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:64.3~未到達)、タキサン群が未到達で、ハザード比は1.25(95%CI:0.92~1.71、p=0.19)であった。
・60ヵ月OS率は、エリブリン群が59.7%、タキサン群が65.2%であった。
・患者全体および治療群ごとのいずれにおいても、ctDNA PIK3CA変異陽性例ではOS中央値および60ヵ月OS率が数値的に低く、ctDNA HER2増幅陽性例では高かった。
・治療群とctDNA PIK3CA変異またはctDNA HER2増幅の状態との間に統計学的に有意な相互作用は認められなかった。
・PFSについても同様の傾向が観察された。

(ケアネット 金沢 浩子)