統合失調症に対するヨガ効果、標準治療との比較 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/09/06 ヨガや運動は、統合失調症の認知機能障害のための補助的介入として用いられるが、対照比較研究は不十分である。インド・RML病院のTriptish Bhatia氏らは、パイロット研究に基づき、ヨガや運動トレーニングが統合失調症患者の認知機能を向上させるかを評価するために単盲検ランダム化比較試験を行った。Acta neuropsychiatrica誌オンライン版2016年8月12日号の報告。 対象は、試験の同意を得ることができ、臨床的に安定した統合失調症成人外来患者286例。ベースライン評価完了後、通常治療(TAU)、TAU+ヨガトレーニング(YT)、TAU+運動トレーニング(PE)に無作為に割り付けた。パイロット研究に基づき、主要評価項目は、Pennコンピュータ神経認知バッテリーにおける「注意」認知領域の速度を指標とした。ベースライン時、21日目(トレーニング終了時)、トレーニング終了3、6ヵ月後に治療企図パラダイムで評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・YT群における6ヵ月後の注意領域スピード指数は、PE群よりも大きく改善した(p<0.036、エフェクトサイズ:0.51)。 ・PE群では、6ヵ月後の注意領域精度指数が、単独TAU群よりも大きく改善した(p<0.025、エフェクトサイズ:0.61)。 ・他のいくつかの認知領域では、単独TAU群と比較し、YT群またはPE群で有意な改善が認められた(p<0.05、エフェクトサイズ:0.30~1.97)。 著者らは「統合失調症患者に対するヨガ、運動トレーニング補助療法は、ともにトレーニング終了後も注意、認知領域を改善した。また、注意領域のスピード指数に対するヨガ補助療法の有益な効果が示された」としている。 関連医療ニュース 統合失調症へのヨガ補助療法、その有用性は “ヨガ”で精神症状とQOLが改善 ヨガはうつ病補助治療の選択肢になりうるか (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Bhatia T, et al. Acta Neuropsychiatr. 2016 Aug 12:1-13. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 1950~2023年の年齢・男女別の死亡率の推移~世界疾病負担研究/Lancet(2025/10/28) HER2変異陽性NSCLCの1次治療、sevabertinibの奏効率71%(SOHO-01)/ESMO2025(2025/10/28) MSI-H大腸がん、ニボルマブへのイピリムマブ追加でPFS延長傾向(CheckMate 8HW)/ESMO2025(2025/10/28) 「若者は管理職になりたがらない」は医師にも当てはまる?/医師1,000人アンケート(2025/10/28) アルツハイマー病のアジテーションに対するブレクスピプラゾール〜RCTメタ解析(2025/10/28) 心血管疾患の発症前にはほぼ常に警告サインあり(2025/10/28) ビタミンD欠乏症が10年間で有意に減少、骨折リスク低減に期待(2025/10/28) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)